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無難な選択

✡


『あちら側も無難な選択をしたな。ここから先、本来起きた事件とは別展開になる。エヴァの遺物が見つかれば終わりになるわけだが』


 アダムの目的はエヴァ殺害の真相、犯人を見つける事ではなく、彼女の遺した遺物を発見する事。


 それが完了すれば、擬似的世界は終了し、依頼は無事に完了する。


 カイトも死なずに済むわけだが、アインズにとっては不満が残る形になる。なんせ、謎を解いたわけではないのだから。


「見つかればいいのですが……場所が分かったとしても、それを取り出す事が可能かどうか。ワタシはそれに関して一切知らされていませんでしたから」


『そうか……私としてはその方が有難いわけだが』


 エヴァの研究室に遺物……それがデータだとして、簡単に入手出来るのか。


 他の博士に渡さないようにしているのは間違いないだろう。


 暗号が必要なのか。場所だけを示しているのか。データでない可能性も十分ある。


 それに……モリー達はエヴァの遺物の存在を知らない。本来、それを知るのは研究室を調べた後。それも無理に入ったせいで、消えた状態になっていたはず。


 今回、アダムが招き入れる事でそれは無くなるわけだが……


「残念ね。選ばれると思ったんじゃないの?」


「別に……貴女が03を推さなかった方が意外だったけど?」


 博士達はエヴァの研究室に向かっている。先頭がアダム、その後ろにモリーとキャメロン。


 その二人の会話が聞こえてきた。更に後ろにいるレオとアーメンの声もアインズの耳には入ってくる。


「03にはやる事があるのよ。無理に行かせる必要はないから」


「私も04には別の指示を与えています」


 モリーの研究室にはエヴァの遺体がカプセルに保管されている。再度それを04に調べさせるつもりなのか。


 キャメロンも03に何か命令しているようだが、エヴァとは全く無関係なのか。


 二人の会話から、アダム達について来るロボットは03、04ではない事が分かる。


 当然、アーメンのパートナーの02でもない。博士達が02を選ぶわけがない。


 アダムは同行するロボットを博士達に選ばせた。


 彼が……アインズが選択する事も可能だったが、それをするのを止めたようだ。


 博士達がどのロボットを選ぶのかを確認するため。


 それもアインズの予想通りの結果に終わったわけだが。

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