呼び出し
「深夜帯か。研究に入れば、時間を気にしない。気付けば、朝になっているのが多いわね。それは彼等も同じでしょ。睡眠は最低限でいいわけだし」
「マスターは途中から意識を失い、睡眠に移行。それを確認後、ワタシも充電、スリープモードに入りました」
モリーは研究に没頭して、寝落ちしていたようだ。それを04が確認している。その後、彼女もエネルギー充電のためにいうスリープモードへ。
「マスターもモリー博士と同じ行動が多かったと記録しています。殆どを研究室に過ごしており、気を失う事も。昼に睡眠をするために部屋を利用していました」
博士達は部屋をあまり利用せず、研究室に籠る事が多かったらしい。ドナテルロのように体を鍛えている者は、その道具を部屋に置いているのかもしれない。
『なるほど……それなら、エヴァは何故部屋にいたんだ? いつもと行動が違う。死ぬのなら、研究室になるだろ? 倒れた場所に栄養剤らしき物は置かれてなかったぞ』
エヴァの側に栄養剤らしき物は置かれてなかった。毒が入っていた器らしき物もなし。
そんな物があれば、04が毒殺の疑いを示した段階で、側にある容器を調べ、ここに持ち運ぶはずだ。
それがない。誰かが隠したのか。
側にいたのはアダム。彼が来る前にエヴァが誰かを招き入れたのか。それとも彼女自身が隠したのか。
アインズが気付くのが遅く、アダムが博士達を招き入れた時に取った……のは厳しい。
可能なのはアーメンぐらいか。すぐにエヴァの方へと進んだ。だが、彼の手が何かを隠すような事はなかったはずだ。
「マスター。中央塔から連絡が入りました。検査終了次第、集会所に集まるようにと」
「あちらは人数も多いし、アイもいる。そこまで時間を必要としなかったのか……怪しい人物を発見したのかもしれないわね。こちらも最低限の情報を得たわけだし、集会所に向かうわよ」
『こちらが得た情報は毒の種類と死亡時刻。君も集会所に行き、集会所での話を聞いておきたいところだが』
「問題ありません。前回も同じです。ワタシがこの研究室に残る事をモリーは拒否しましたから」
「エヴァの遺体は定期船が来るまで、そのカプセルで冷凍保存される。部屋や研究室に戻る事は不可能よ。だからといって、この場に置くのも無理だから、集会所に一緒に来てもらう事になるのだけど」
アダムの言葉通り、モリーは彼が残る事を拒否した。
彼をこの場に留まらせる事で、体を調べる機会を伺える。理由が理由だけに、他の博士も納得可能しそうなものだが……
マスターがいないロボットながらも、自身の研究室を調べられる可能があるのを考慮したのか。
後から調べる事で、その記録を誰かに取られてもおかしくない。
『分かりました。モリー博士に同行します』
「……助かるわ。04と争わせたくなかったから。けど」
モリーの言葉に間があったのは、素直にアダムが同行を許可した事に疑問を感じたのか。




