流れ着いた存在
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「この景色にも見慣れてきたけど……ここに来ると暗闇に呑み込まれそうな感じがする。少し怖いんだけど……」
カイトは暗闇の世界をひたすらに歩いていた。とはいえ、完全な闇ではなく、流星のような光が幾度も流れている。いや、その光は昇っているのか、降っているのか……
その光は魂と呼ばれる物であり、この世からあの世へ向かってるらしい。それを利用して、カイトは目的地に辿り着いた。
目的地。それは条件を満たした者が流されて来る場所。
カイトは主の指示により、その者を連れて来るようにと指示されていた。
本来、彼が連れて来る必要はなく、自動で主の目の前に転移される。
それを知っているのは、カイトも招かれた一人だからだ。彼が着ているのもその世界の服装。魔法使いの従者が着る燕尾服。それを大事にしている。
彼が欲した答えは手に入れたが、とある理由により、主の使い魔になる事になったのが現状である。
「あれだ!! 確か……アインズ様は銀の物体をロボットという名前で呼んでいたはず」
アインズというのは、今のカイトの主の名前だ。そして、主は死神でもある。
だからこそ、謎や未練を持った魂を呼び寄せる事が可能なわけだ。
「お〜い!! 僕の声が聴こえますか?」
カイトは遠くからロボットに呼び掛けるが、返事はなし。何の反応も示さない。
「そもそも、話す事が出来るのかも疑問かも。口も無さそうだし、鼻もない。息すらするのも無理なんじゃないかな? 目も人間と違うみたいだし……人形みたいだ」
彼はロボットという存在を知らない。カイトがいた世界とはまた違った世界からの訪問者……流されてきた物だ。
それを人形と似た存在と彼が思うのは、間違ってはいないのだろう。
「動かないのなら、僕がコレを運ぶしかないんだけど……冷たっ!!」
カイトもそうだが、アインズ……死神に招かれた者は魂だけでなく、自身が一番だと思った時の姿が反映される。
彼の場合は少年期。カイトにとっての大事な人と過ごした時代の姿。
死んだ身であるが、血肉はある。体も熱を宿している。だが、カイトがロボットに触れてみると冷たい状態のまま。動くのかどうかも判断出来ない。
「アインズ様なら目覚めさせる事が出来るのかな? ……そ、そもそも、重くて運べないぞ」
このロボットが何で造られているのかは分からない。カイトが知る人形と重さが全く違う。
それだけではない。人形に魂が宿るのか。ロボットと人形を同一考えるのはおかしいかもしれないが、カイトの世界の人形に魂は宿る事はなかった。




