モリー博士
『君が返事したわけじゃないのか。であれば、君達の声は同一のものか』
アインズは思った事がアダムの頭の中に流してしまった。
「そうです。アーメン博士のロボットAM02機だけでなく、ワタシ達の声は同一に設定されています。素材があれば、変更可能」
アダムは声に出さず、頭の中でアインズに返事をする。返事の仕方をすぐに理解したようだ。
エヴァ博士のアダム。アーメン博士のAM02機。別の博士のロボットも声は同一だが、姿見は違うのだろう。
AM02機の顔は両目ではなく、ゴーグルのような形だ。全てが黒色で染まり、体の造りもアダムよりも全体的に太めではある。手の形も人間ように指があるわけでもない。
『そうか……見れば分かるわけだが、声だけでは……』
声が同じであれば、ドア越しや電話等ではどの機体なのか分からないという事だ。
『アーメン博士以外も来たな。アダムは全員の姿を確認してくれ。勿論、パートナーもだ。パートナーの情報はこちらに一切ないからな』
「声を荒げて、どうした。エヴァに何かあったのか」
エヴァの部屋に博士達がぞろぞろと入ろうとした。パートナーのロボットを含めると十人以上。部屋の広さからして、狭すぎる。
「おい!! エヴァがヤバい状態だ!! モリーは04に治療させろ。04に調べさせるために、他の機体は外で待機を命令してくれ」
「治療!! 仕方ないわね。アンタの02も下がらせなさいよ。大きさ的には一番邪魔になるから」
「分かっている。02!! お前はこの部屋から外に出て、待機だ」
アーメンは02に外へ出るように指示。入れ替わりに04機が中へ。モリー博士も一緒に入ってくる。04に指示するためには当然必要になるからだ。
モリー博士。二十五歳の女性。身長は百五十後半。茶色の髪を雑に後ろに結んでいる。彼女の肌は白いが、病的な感じはなし。タバコを今なお吸っており、ヘビースモーカーの可能性あり。
『彼女がモリー博士だな。彼女のパートナーだとすれば、MR04になるのか。何故、アーメン博士の02とモリー博士の04を入れ替える必要が?』
「04は医療型のロボットです。博士達の体調、身体検査は彼女が毎朝行っていました」
MR04機。白の機体。アダムと02に比べて、細身。腰部分がスカートのような形になっており、頭も長い髪のような物が付いている。胸部分も膨らみが。
アダムが04を彼ではなく、彼女と呼んだのも女性型と認識しているからだ。
『医療型……ロボット研究ではあるが、担当分野が其々違っているわけか。君は何をメインにしていたんだ?』
「ワタシはマスターの補助をメインにしていました。彼等みたいに専門があるとは聞いていません」
『……そうか』
アダムには専門分野がない。エヴァ博士から聞かされてなかったのか。ロボットそのものである可能性もある。
彼だけにあるだとすれば……感情なのか。エヴァ博士は心理を専門にしていたのか。
「04!! エヴァの治療開始!! まずは横にさせるわ。それは01がやりなさい。マスターのためよ」
「……了解しました」
モリーもエヴァの姿を一目見て、危険な状態と判断したようだ。アダムに命令して、エヴァ博士を机からベッドへ移動させる。
モリーがエヴァ博士のためと言葉にしたのも、アダムを利用するためだろう。




