アーメン博士
「返事はないな!! コード解除するぞ」
「それは止めた方がいいです。解除する事で、ウイルスを侵入する可能性もあります」
「ドアを破壊した方が速いですね。修理もこちらがやれば問題ないでしょう。アチラも納得してくれますよ」
「私達五人を待たせてたわけだからね。それぐらいは許してくれないと」
「家が壊れても、研究室に泊まればいいわけだし」
外から五人の好き勝手な言葉が部屋にも届く。
この五人の中にカイトがいるのかどうか。
ドカン!! とドアが破壊された音が響く。
「エヴァ!! 寝てるんだったらさっさと起きろ。01もマスターをさっさと起こせよ。それぐらいは指示されているだろ」
白衣を着た男が足早に部屋へ入り、エヴァ博士が机に突っ伏しているのを目にした。
エヴァ博士が寝ていると勘違いしているようだ。アダムを01とも呼んでいる。
この時点で彼に感情があると思われてない事が分かる。
『姿からしてアーメン博士か。アダムは私の声に反応せず、彼に返事をすればいい』
アーメン博士。年齢は三十後半。身長は百七十程。白髪混じりの髪で、眼鏡を掛けている。色白……というより、青白い細身の体。煙草臭く、不健康だと一目で分かる。
その隣にはアダムとは別のロボットが。ロボットの研究者が集まっているのであれば、博士達其々にパートナーとなるロボットがいてもおかしくはない。
そのパートナーを元にして、研究を進めていくわけだ。
ドア破壊もアーメン博士達が直接手を出したわけではなく、ロボット達に指示をした。
コード解除もロボットにさせるつもりだった。それをロボットにさせないため、ウイルスを設置している可能性もあると疑った博士もいた。
ウイルスを受ければ、その分パートナーのロボットの研究が遅れる事になるからだろう。
「マスターは目を覚ましません。死んでいるようです」
アダムはアーメン博士にエヴァ博士が死んでいる事を伝えた。
「……はっ!? んなわけないだろ!! ちゃんと機能してるのか? コイツは昨日の集まりで、熱く語ってたんだぞ。俺みたいに身体検査で悪いところは見つかってなかったんだ!!」
アーメンは彼の言葉を信じない。昨日までエヴァ博士には何もなかったらしく、病気等で突然死ぬ事もないと。彼は無理にでもエヴァを起こそうと、彼女の肩に触れた。
「01を使って、俺を騙そうとしても……」
得た博士の体に反応はない。糸の切れた人形のように動かない。アーメンもようやく、そこで事の重大さに気付いた。
「02!! コイツの体温……それに室温は!!」
「エヴァ博士の体温検査……30度、今なお低下中。室温検査……28度です」
アーメンの言葉にパートナーの02が返事をする。02には温度検査機能がついているようだが……




