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更新

「マスターがこの島に来たのは一年前です。ワタシも一緒に運ばれてきました。博士達全員、同時期に……訂正。入れ替わりとして、レオ博士だけは遅れてやってきたと記録されています」


『一年前に島へ。レオ博士という人物だけが入れ替わりでね。入れ替わった人物の情報は?』


「データにありません。ワタシは一度も会ってないようです」


『……その人物の記憶の本はないな。この事件との関係はない……か? アダムはこの島で造られたわけじゃないわけだな』


「造られたのはそうです。データ更新等はされています」


『なるほど……更新か』


 アダムはこの島ではなく、エヴァ博士に連れて来られた。ここでアダムの……ロボット研究を続けていたという事だろう。


 更新というのはデータが書き加えられ、バージョンがアップする事。書き加えるだけでなく、書き直される事もあるのだろうか。


 研究者も入れ替わりもあり。それに関して、アダムも把握していない。別の博士……レオ博士に彼が尋ねる事は可能なのか。


「おい!! 何かあったのか!! 返事をしなければ、コードを解除して、ドアを強制的に開けるぞ」


 部屋の外から男性の声が聞こえてきた。アダムの言った通り、エヴァ博士を心配? して、博士達全員が訪ねてきたようだ。


 博士の誰かは無理矢理エヴァの部屋に入ろうとしてきているようだ。


 研究室だけでなく、部屋に入るのには鍵……コードを打ち込む。当然コードは本人が設定している。


 他者であれば、研究を盗まれる心配を無くすためにも必要な措置なんだろう。


 強制的に解除するのも可能なようだが、時間が掛かり、本人にバレるようにしているはず。


 それを知っているからこそ、博士の一人が先に了解を得ようとしているようだ。


『……部屋に侵入するためにはコードを解除する必要があるようだな。君は解除出来るのだろ?』


 アダムがいたのはエヴァ博士の研究室。彼がここにいるのはそういう事だ。


 でなければ、エヴァ博士が生存時にアダムを中へ入れた事になる。


 どちらにしても、彼が疑われるのは当然なわけだ。


「はい。博士達を招き入れるのですか?」


『いや、入れなくいい。博士達の反応を見ておきたい。前回もそうだったわけだろ』


「はい。マスターの指示を待っていました」


 アダムがエヴァ博士の死体を発見したところを見られている。


 彼等の声に反応して、部屋へ入れるのは難しい。


 この時、アダムの中に感情があったのなら別だろう。それは彼自身も何時感情が芽生えたのかを把握していない。


『それに反応すれば、彼等は君の変化に気付く。固まっているのが正解だと思う』


 前回。アダムが博士達を招き入れなかったのは、エヴァ博士の死を理解出来ず、指示を待っていた。そのせいで止まっていたわけだ。

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