習い事に行こう
「ぬくっ…ぬぐぐ…重いじゃあないか…!」
鍛えてる僕がこんなに苦労するとは…辞書を買っていたら本当にどうなってたか…!
ぬぐぐ…指が痛い…!
いや、もうすぐ…もう少しだ…自転車の籠にさえ入れられれば…!
ドサッ!ドサッ!
「……ふぅ…」
なんとかなったね…危ない危ない。もう少しで血の流れがヤバイ感じになるところだったよ。
さて、後は家まで行けばOK!
「よっ…わたた!」
籠に重いもの入れ過ぎたせいでハンドルが取られるっ!
「…よっ…と…!」
………よしよし。スピードに乗ってしまいさえすれば…!
よし!おうちかえる!
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そういえば今日は習い事の日だよね。すっかり忘れてたよ。
僕は武道を習っている。武道っていうか…護身術だけどね。うん。
「用意しなくちゃなぁ…」
…うーん。めんどくさいっちゃめんどくさいんだけど…まぁ、先生面白いし、友達居るし…苦では無いかな。
「…さて、行く前に寝るか。」
久々に人混みに揉まれて僕の体はボロボロだー…
おやすやぁ…
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「…寝すぎたじゃないか。」
18時開始なのにもう19時だよ。
こういうのには緩い所だから、別に怒られたりはしないんだけど…
多分また、あいつに
『重役出勤お疲れ様でぇーす!』
…とか言われるに違いない…!ま、まぁいい!さっさと行くぜ!
ガチャ。
「…お?雪、武道行くのか?」
「おー翔太。そうだよー」
「…18時からじゃなかったか?」
「………じゃーねー」
「てめぇまた寝てたな!?」
全速力でここから離れる!
…何故翔太はこんなにも鋭いのだろうか。
よし、武道館についたよ
さて、さっさと着替えて行かなきゃね。
よいしょっと。
ゴォォン…
スライド式だからこういう音がするんだよ。
「……おっ!来たか!今日も遅い登場だな」
「主役は遅れてくるものなのさ!」
「主役?…へぇ?ほぉ?ふぅーん?」
「なんだその何かしら言いたそうな顔は!言うなら言え!」
「いやーお前は脇役じゃね?って。」
「貴様!」
後ろに下がって…勢いつけて…
「…くらえい!」
「おっと。」
「よくぞ躱した。褒めてやろう」
「………えっ。何その言い方。中二?中二病?うわーちょっと引くわぁ…」
「や、やめてよ!引かないでよ!今そういう流れだったじゃないか!」
「……えっ?聞こえないなぁ」
「くっそぉ…」
このむかつく奴は松島 雄星。この習い事以外で会う事はあんまりないけど、ここでは級と加入時期が同じ事もあって、よく話す。ていうか、じゃれる。
翔太と違ってこっちはオタク系のネタも分かるしね。翔太より会話弾むかもね。
「…ところでさぁ。あの実況者さんの動画見た?」
「あぁ。見た。今回も面白かったよな!…今回も本編はやってなかったがな。」
「あの歌は爆笑だったね!」
「うむ。そういえば新たに発見した面白い動画があるんだが、見る?」
「おー!見る見る!見ーせーてー♪」
「ほら、これだ。」
ズイッ
「ちょ…そんなに顔に近づけられても見れない…」
「ああ、悪い悪い。ほれ」
「か、体で隠れて見えないんですけど…」
「………?」
「お前さてはおちょくってるな!くらうがいい…我がモードは氷結姫!氷を操るモード!」
「お前それ好きだよな…」
最近はまった。
「…まぁいい。回し蹴り!」
なんというシンプルな…
「そんな眠っちまいそうなノロい動きでぇ!」
「かかったなアホが!」
僕の右足と雄星の右足がぶつかる!
…と、思った瞬間。
「はいそこまでー!」
「ぎゃぷ!」
「うお!」
先生に2人同時に床に落とされました。
先生は男のがっちりとした先生です。強いけど、明るくて面白い先生です。
「…もう休み時間終わってるからな?」
「………あーぼくみずのみにいかないとぉ!」
「おれもおれも!」
「ちゃんと戻ってこいよー」
ゴォォン
「…んぅ…ぷは。」
「はよどけ。」
うわ、ここ濡れてた。最悪。
「……………!?…!…!?」
…慌てとる慌てとる。
雄星が冷水器の水を飲んでる間、僕が下の踏んで水を出すやつをずっと踏んでるのだ。飲み終わろうと思って上のを離したら、まだまだ続く水!ここのは勢いが強いから口を離したら水が外に飛びだす!
…ふふ。つまり雄星は水を飲み続けるしかないのさ。
お前の負けだ!
ギュッ!
「痛ぁ!?」
こ、こいつ…足を踏みやがった…!
「……ぷは。…この野郎…」
「僕じゃないしー!僕がやった証拠がどこにあるんですかぁ?」
「……まぁいい。さっさと行くぞ」
「ふーい。」
ゴォォン
ゴォォン
カチャ
…………あれ?今の音は…
ガチャ!ガチャガチャガチャ!
あの野郎!中から鍵閉めやがった!
「あーけーろー!」
「……ん?聞こえないなぁ。」
「開けろっての!このぉ!」
「…ほれ。」
ゴォン!
「…開いた…」
「さ、練習しようぜ。教えてやるから」
「のやろぉ〜…ちょっと先に級が上がったからって偉そうに…言っとくけど、僕の方が実力上なんだからな!」
「そうだな。お前は実力じゃなくて偏差値が俺より低いもんな。」
「むきー!」
おのれ筆記テスト。
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「オラオラオラァ!」
「なんで技の後にラッシュ入れてくるんだ!そんなの無いだろ!」
「知らんなぁ!」
「このっ!」
あ、S字に持たれた。これやばいやつだ。
「おら!」
「甘い!」
ズダン!
「くそ、逃げたか…」
相手の動きに合わせて自分から落ちる事によって威力を激減させられるのだ
…けど…
思いっきり下にやったから足…痛い…
「どうした。足でも痛めたか?」
「…誰の所為だと…」
「…自業自得」
そう言われると言い返せないけどさ…
「ぐすっ…雄星にイジメられた…ぐすっぐすっ…」
「泣くなよ…」
「どうした?また川田がなんかしたのか?」
「えっ…先生!なんで僕なんですか!僕が泣いてるんですけど!」
「そこまで元気なら大丈夫だな。さ、練習続けるぞー」
「図ったな!うわぁぁ!」
「あ、松島。ほれ、これ渡すから川田の面倒見てやってくれ」
「先生!むしろ僕が面倒を見る立場!」
「それはないなぁ…じゃあ、後で見にくるからな」
「最近僕の扱いが酷いと思います!」
(…何故筆記テストの暗記ページ…?筆記テストの練習に変えろって事か…?)
「…よし、筆記の模試やるぞ」
「ぴぃ!?え?技の練習は…?」
「ほら、こんなの渡されたからな。暗記しろ。」
「ぴいぃぃ…」
…後30分かぁ…ダラダラしてれば大丈夫かな?
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「んあー!疲れたー!」
「乙!」
「乙じゃねーよいたわれよ」
「何?頭をかち割れだ?」
「ほぉ?やってみろこの雪に対して!」
「おらっ!」
ゴイン!
「……本当に…やる…と…は…ぐふっ」
「口だけ達者なただの雪だるまですな…」
「そこまで丸くないわ失礼な。」
「お前ら!ここもう閉めるぞ!」
「待って下さい!僕だけは出して下さい!」
「てめぇこの野郎!」
「あの2人は相変わらず仲良いですね。」
「そうなのよ…小学生の頃からあんな感じでね。」
「へぇ〜」
「もうね。組み演武とかでも雄星としか組みたくない!なんて言ったりして」
「あらあら」
…なんか恥ずかしいんですけど
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ただいま我が家。
これからご飯作るのめんどくさいなぁ…
あれ、ご飯がある!翔太のお母さんが作ってくれたのかな?
わーい!しかもまだ温かい!
「いっただっきまーす!」
もぐもぐっ!?
「………トマトが、入ってる…」
まさかお肉に挟まってるなんて…
うぇっ…吐き気してきた…
僕、蜂とトマトはダメなんだよ…好き嫌いとかじゃなくて…生理的に…
トマトは捨てよう。
もぐもぐもぐ。
うん。他のは美味しいね!
主人公と特別に親しい男子を2人出すのは始めての試み…上手く動かせるだろうか…




