セイラの日々
家に戻り、いつものように采配をする。
家の中が整えられているか確認。
ケインの明日着るべき衣装。
パーティがあったかどうか。
上司の奥様へのご挨拶の品物。
お礼状。
食事の準備。
後は、ケインのするべきだった持ち込みの仕事。
ケインは座学が余り得意ではなく書類仕事を溜め込みがちだった。
それらを淡々とこなしているとケインが帰ってきた。
ケインは出迎えたセイラを一目見て、相変わらず地味だと言ってあざ笑う。
食事も用意していたのに、外で食べてきたと言って、風呂だけ入って眠ってしまった。
服は脱ぎ捨てたまま。
セイラは溜息をついて、自室に戻った。
それから、今度は自分の仕事を再開した。
ケインは散財ばかりする。
いつからか生活費は入れてもらえなくなった。
華々しい活躍をするケインだが、まだ駆け出しだ。
そんなに、お給料を貰える分けでもない。
ケインの実家だってようやく余裕が出てきた所なのだ。
ケインにかけるお金もない。
なのに、ケインはどんどんお金を使ってしまう。
きっと、病弱だった時にご両親がお金を惜しみなく使ってくれたせいもあるだろう。
欲しいものは衝動的に買ってしまう。
そんな金銭感覚なのだ。
当然足らなくなってしまう。
色々、節約したり、使用人も最小限にしている。
それでも足らないから、セイラは魔術書を書き写すバイトをしていた。
生活費が足らないなんて、情け無くってセイラ実家に言えなかった。
困って、学園の教師を頼った。
幸い、真面目に学園生活を送っていたので紹介してもらったのだ。
セイラの丁寧な仕事は好評で、仕事は順調だった。
ケインの稼ぎには劣るが、何とか自分の身の回りのことを賄えるくらいは稼いでいた。
そんな風に努力しているのに、それからもケインの態度は酷くなっていくばっかりだった。食事を見れば
「こんなみすぼらしい料理を出すのか。」
とか。
「そんな姿じゃ連れ歩けない!」
と言って見た目をけなされ、
とうとう公式なパーティのエスコートすらされなくなった。
とは、いえ、奥様同伴のパーティにはセイラだって呼ばれている。
行かない選択肢はない。
しぶしぶ連れて行かれ、ケインが他の女性と楽しげに談笑するのを壁の花となって見るようになった。
そんな鬱々とした日々が嫌になり、セイラは予約をとって気晴らしに雑貨屋に行くことにした。




