決定的証拠
「そんなの幾らでも捏造できるじゃない!」
叫ぶエルミナにアステルは冷たい視線を投げかけた。
「今、映像で見せてやっても良い。」
そういうと空中に向かって手を突き出した。
天井に何か幕のようなものが現れた。
その幕に日付けと時間が記される。
それが消えるとセイラが現れた。
店で、商品---今、エルミナが身につけているブレスレットを受け取り、ぺこりと頭をさげる映像が流れた。
「こんな感じ。」
その場の全員の目が令嬢の腕に注がれる。
美しい煌めきを放つブレスレット。
今、映像で流れたものと寸分違わない。
「うそよ!でたらめよ。」
エルミナはまだ言う。
「そうか。店内での記録はすべて残っていると言った。
お前が誰とどのように交流していたかも記録に残っている。流してやろうか。
そこの男・・ケインといったか、そいつと付き合う前に色んなヤツと俺の店に来たな。お前が求めたのは・・・。」
「言わないで!!!」
「言われたら困るということは理解してたか。」
その言葉に会場の人々はコソコソヒソヒソ。
この茶番であざ笑われたのはエルミナの方だった。
アステルはケインに向かって指差した。
「後、お前。お前も良く遊びに来てたな。いつ誰と来たか、記録に残っている。恐らく仕事の時間だろう。巡回の時間に来て、女にアクセサリを買っていた。その金はどこから出ていたんだ?」
ケインの顔が強ばった。
アステルが手を翳す。
「お前の購入した物だ。」
今度は、次々に映像にアクセサリが映し出される。
例えば、美しい銀細工で出来たブレスレット。
その下には金額が表示されている。
次に、美しい貴石をつかったペンダント。
同じく金額が。
「これも、これも・・これも。」
表示されたのは金額だけでは無い。
日時もだ。
「随分、昼間にプラプラできるものだ。」
「総額は、お前の給与を越えているだろう。どこからその金が出ている?」
ご丁寧に使用金額の総計が幕に出された。
人気者とはいえ下っ端騎士が払えるとは思えない金額だった所
ケインが顔を真っ青にした。
「使い込みって言ってたが、自己紹介だったな。」
すべてを暴露されて、人生を終わったのはエルミナとケインの方だった。
ケインは連行され、これから話を良く聞かれる事になるだろう。
ざわつく会場から、アステルはセイラの手を取って連れ出してくれた。




