呆れた言い分
「小さい俺をそそのかして、言いようにして金を巻き上げてきたんだろ?」
フンと鼻を鳴らして、ケインはそんなことを言ってきた。
なんて事を言うのだろう
セイラは、ケインの為を思って色々我慢してきたと言うのに。
セイラだって同い年の子と一緒に遊びたかった。
外を駆け回って、色々な子と交流して。
それらすべてを犠牲にしてケインに尽くしてきたというのに、ケインの中では無かったことになっている。
そのままグイグイ押されて家の外に出されてしまった。
玄関前にへたり込むセイラ。
両親の言っていたことはつくづく正しかった。
同情で縁を結んではいけない。
何も良いことはない。
一番辛いことが終われば、相手は何の感情ももたないのだ。
それを心底思い知った。
とぼとぼ荷物を持って、セイラはアパートに帰った。
箱の中の資料は雑に扱われたためか、所々、破れたり、破損していた。
部屋の中でセイラは泣いた。
情け無くて。一晩鳴いて、
セイラはもう、彼らと決別した方が良いと決意した。
婚約破棄とケインが言った事、書類を用意して欲しい。
両家、ケインに手紙を出した。
実家からはお叱りの手紙が来たから、除籍してもらって良いと返事を出した。
レグナード家からは何も返事は無い。
そうして一月絶って、届いたのは騎士団のパーティの招待状。
訳がわからない。
騎士団関係者の祝宴。
ケインの上司や同僚も多く出席していると言う。
セイラは出席できないと返信した。
だって衣服だってすべて取り上げられたのだから。
するとわざわざエルミナがアパートにやってきた。
あざ笑うように言うには、
「その恰好でいらっしゃったら良いわ。皆様揃っているから一緒に手続きもしましょう。」
つまり、セイラをさらし者にしたいというのだろう。
セイラは悔しくて仕方が無かった。
でも、アパートに帰ったら何故かドレスがあった。
シンプルで上品な。
セイラ好みのドレス。
合わせたアクセサリに靴やバッグなどの小物まである。
更には、机の上に置き手紙があった。
「心配無用。出席しろ。」
その文字に、セイラは微笑みを浮かべた。




