第104話 獣と水○
インプたちを倒したルーツとイルーシィのふたりはその後もダンジョンの探索を続けていた。ルーツに対して何か言いたげなイルーシィだったが口にはしなかったようだ。
探索を進めだだっ広いまたもや岩の障害物のステージ。この場所でルーツとイルーシィはバードマン、鋭い爪を持った空を飛び襲い掛かって来る有翼の人型モンスターたちとの交戦を始めていた。
「ダああああああああ」
「空を飛ぶなら俺も跳べばいいだろ!!」
岩上から空を飛ぶバードマンたちに喰らい付くように跳びかかり剣撃を浴びせるルーツ。
「はぁ無茶苦茶ね……」
またも勝手に1人で敵陣に突っ込んで行ったルーツを哀れそうな目で後ろから見守るイルーシィ。
ルーツは獣のように跳びまわり敵に喰らい付きその数を減らしていった。
バードマンたちはその狂った獣に対し空から鋭い脚の爪を向けルーツに群がり襲い掛かっていく。
「アクアスナイプ」
イルーシィの槍の穂先から放射された鋭い水のレーザー。
敵の群れに向けられた穂先から狙い澄まされた水のレーザーの雨がバードマンたちの翼を貫いていく。
制御を失ったバードマンたちはダンジョンの床に墜落して行き。
「水のレーザー? イルーシィか!! ……なるほどこれがパーティーか! 援護サンキューーッっ」
「ダああああああああ」
地で待ち受けていた獣に堕ちてきた鳥たちがその荒い剣風に巻き込まれ次々と光の粒へと還されていく。
そして殲滅されたバードマンの群れ。ルーツとイルーシィ、パーティーとしての初めての共闘であったが……。
剣を腰にぶら下げた鞘にしまいイルーシィの元へと笑顔で駆け寄ってきたルーツ。
「イルーシィ、援護サンキューすごいな!!」
「援護サンキューじゃないわよ」
「え」
イルーシィは真っ直ぐ無表情でルーツを見つめる、静かな怒りのオーラが周囲に漂っているようだ。
「それに、なるほどこれがパーティーか! だっけ」
「は、はい?」
「これがパーティーなわけないでしょ。あなた1人で暴れ回ってるだけじゃない、気色の悪い」
「え、えっと……俺は剣だか」
「うるさい!」
「は、はい!」
勝てない、ルーツはこれに口答えするのはまずいと獣の直感と本能が感じていた。




