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双羅の胃はキリキリ削れてる。ついでに頭も痛い。

お待たせいたしました。非常に不安定な更新です。

 レイクレインにきて一週間、つまり十日経った訳だが・・・・・・・



「まだ帰ってこないのか?」

「うん。でも、メリ姉はしっかりしてるし、そのうち帰ってくるんじゃない?」

「ん、そうだな」


 現在、宿の一部屋。その中で俺とロイクはそんな風に会話していた。

話題は大抵メリアの不在について。ちなみに、アサンは毎日街を徘徊している。まあアイツは大丈夫だろう。


 で、話題のメリア不在なのだが・・・・・・

レイクレインにきて四日目、部屋に「そのうち戻るから待ってて」と書いてある羊皮紙が置いてあり、メリアの姿が見えなくなった。愛馬のロンも一緒に消えていた。

いったいどうしたんだろうと考えてみて、ル・・・・・・・メリアが「レイクレインに用事がある」と言っていたことを思い出す。ついでに家出中であることを思い出す。

と言うことは、家出用の館か家出の原因だろうか?


 まあ、それはメリアの問題だし、俺も関係ないからいいんだけど。


「まあ、メリアはそのうち帰ってくるからいいとして」

「お兄さんって割と簡単に割り切るよね。意外と言えば意外だけど」

「ああうん。しかしたぶんコレ他のひとから移っただけだから」


 そう、あの自由師匠からな。


「ま、それは置いといて、だ。コレを見てくれ」

「なにこれ?」


 俺はバックから鉄インゴットを取り出した。しかし、ロイクは一目で普通の鉄インゴットじゃないことに気がつく。


「どう思う?」

「普通の、それなりの魔鉄よりは多少弱いかな、程度の感想。でも普通の魔鉄と同じように使えるよ?」


 ロイクはインゴットを見ながら言った。

そう、今ロイクに見せているのは俺が折り返し作業で作った『魔鉄っぽいなんか』だ。普通の魔鉄と違い魔力は弱いが、耐久や魔力の通しやすさは同じだ。ロイクにこれを見てもらい、問題ないと言われたら、ルア・・・・メリア?からの依頼品に使用するつもりだ。

というか、やることが無かった頃にコレを作っており、鉄の半分はコレになってしまっている。そしてどこかで消費しようとしていたが、魔力が弱いためできないことが多かったのだ。当然、エンチャントをかける剣に使えると思っていなかったが、弱いのは魔力だけだと気づき、ロイクに相談したのだ。


 結果は問題なし。全然使える。


「はぁー・・・・・・」


 俺は息をはき出した。やっと悩み事の一つが解消されたのだ。あとは剣の核となる水の魔石とその他設備を揃えれば剣を作れる。だが思ったより悩みは、ストレスは溜まっていたらしく、頭が痛い上、胃の調子も悪い。

今日は、もう早いが寝るか。



◇◇◇



「うぅ・・・・・・」


 翌日も体調が悪いままだった。立つとめまいがして、頭が痛い。幸いなのは胃の調子が戻ったことだ。

ロイクとアサンに動くことを止められて横になったままだ。

そういうことが数日続き、双羅が復活するのはそれから四日後だった。それと同時にメリアも帰ってきた。メリアは大変慌ててるようで、それを見た双羅は嫌な予感がした。なぜか、王都を出る直前の兵士の言葉が頭の中で再生したのである。


「ソーラ、ごめん!ここからすぐ逃げて!」


 メリアは双羅を見た瞬間、そう言ったのだ。かなりの焦った声で、しかし大声を上げずに。

どういうこと?と双羅が聞く前に、宿の下のほうで騒ぎ声が聞こえてきた。男の声で、聞き取れたのは貴族がなんやらとか、ソーラなる者をなんやらと声を上げている。


「・・・・・メリア?」

「あの・・・・・ごめんなさい」


どうやら、犯人というか、今回の厄介ごとを持ってきたのは森じゃなくメリアらしい。

そんなことを考えていると、トビラが凄い勢いであいた。派手な音があたりに響く。


 双羅はそのトビラの奥にいる人物を見た。

金髪金眼の男。一目で貴族だとわかる服に、ちらちらと見える筋肉。その若々しい、整っているであろう顔は怒りの形相で台無しになっている。見た所18そこらだ。

その明らかに貴族っぽい男は、こう言い放った。


「貴様がソーラとやらか!!俺のルアを誑かしやがったな!?」

「えっ?えぇ!?」


 双羅は戸惑い、すぐにあの兵士の言葉が再生された。


『・・・・お連れの方、ルアさんを頼みますよ?あと、がんばってください』

『旅に出て、とある街に着いたら分かりますよ。あと、これは将来の期待ですかね』


 がんばってください、ってコレのことか!?


「俺、クレイセル・ザウリーの権限を持って、お前を捕縛する!!」

「ちょ!?待って待って!!なんか勘違いしてない!?」

「黙れ!ルアが急に婚約を解除したのだ!!お前の名前もルアの口から聞いてる!!逃げられると思うなよ!」

「はぁ!?」


 婚約って、ルアは表向き男のはず・・・・・・まさか!?

あ、いや、全然違いました。この人の目、完全に女を狙ってる目です。すいませんでした。

という事を、ロイクと双羅は同時に考えていた。


というか、メリア。いやルア。なんで俺の名前出したし。

そして思い出したが、ザウリーって木材で有名な大貴族じゃないですか・・・・・・また森かよ!!


そんなこんなしてると、クライセル・ザウリーの背後から執事服の白髪老人が現れた。


「クライセル様。そのように強引に事を進めるのは、あまりよろしくないかと」

「しかし、ラハル!」

「相手も混乱しているようですし、説明を。そんなんだと、民も愛想を尽かして逃げていきますよ?」

「ちっ・・・・・わかったよ。おい、ソーラとルア。着いて来い」

「ああ、はい・・・・・・」

「・・・・・・うん」


クライセル・・・・・たしか、子爵持ちだったか。まだ領地は一部しかもらってないからか、多少強引にやれば何でもできると思っている男。


(そんなのに目を付けられたか・・・・・・・はぁ)


「その・・・・・・ごめん」

「ん?まあ、うん。大丈夫・・・・・だと思いたい」


 双羅は、腹の少し上が痛み始めたことを無視しようと努力を続けるのだった。


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