第7話 新しい出会い。
2年生になって社交界デビューしたときに、ポーラの婚約者さんに友人を紹介された。なんというか…山の熊みたいなこげ茶の髪の体の大きな、北部の伯爵家嫡男。お世辞にも…ハンサム、の区分からは遠い方だ。
その方と一曲踊って、バルコニーでお話をした。
「いや、僕は、その…こんなんですから…領地も田舎ですし…」
汗を拭きふき、レナルドと名乗ったその人は、一生懸命話している。可愛らしい。そう思った。私はどうも、面食いではなかったらしい。そう思って笑ってしまった。
次の舞踏会にはレナルドからドレスが贈られてきた。似合うと思って、と、クリーム色に白いレースがあしらってある。
お迎えに来てくれたレナルドを家族に紹介し、私たちは私の卒業を待って結婚することになった。
私にレナルドを紹介してくれたポーラ本人はその報告に驚いたようだが、祝福してくれた。
3年生になったとき、私をわざわざ教室まで訪ねてきた1年生がいた。
「初めまして、私、ロマーヌと申します。貴女の元婚約者エミール様と婚約いたしまして」
要は…私の反応を見に来たのだろう。子爵家の御令嬢らしい。
しかもこの子はエミールに会いにスージ国の男子校まで家族と出かけてきたらしい。
「もう!素敵な方でしたわ。気遣いも出来て、頭も良くて…しかも、王子様の様にカッコよくて!」
「……」
「いつもお手紙を下さるんですの。しかも家族思いで、いつも私とご家族の心配をしていらして…」
チラチラと私を窺っているのは、逃した魚がどんなに大きかったかを教えようとしてくれているんだろうか?自慢?
「まあ、そうですか」
なんと返していいのかわからなかった私は、気のない返事をしてしまった。
「それに私、毎週のようにダヴィド伯爵家にお邪魔して、アラベルちゃんと遊んでいますの。可愛らしい妹さんで、私に良くなついておりますの。うふふ」
「……」
「あの子の書いたお手紙も一緒に、エミール様に送っているんですのよ」
「……」
「ピアノも上手で、礼儀作法は私も一緒に学んでおりますの。お利口な子ですわ」
…なるほど。家族は兄妹同士の手紙を禁じているんだな?
「私たち、エミール様が学校を卒業されたら、結婚いたしますの!」
この子は…上手く立ち回っているつもりで二人に…いやいや…変な邪推はやめよう。
「それはおめでとうございます。ロマーヌさん。お幸せに」
私がそう言うと、勝ち誇ったような顔で、ロマーヌさんが笑った。




