運命は最初から決まっている
18年前に親友に一回だけ私の秘密を打ち明けたことがある。その時に彼女は優しく笑って「そんな貴方も素敵よ」と言ってくれた
それが彼女との最後の会話だった
それから数ヶ月後に子供ができた。父親は私が恋焦がれていた男であり私の目の前で死んだ夫だった
そのときの私は金を稼ぐ事や子供の世話を焼けるような生活も精神もなかった
だから産んだ後は施設に預けた、いつか会えるように名前は一字だけ変えた名前にした
いつか会えるような夢があるように
でも時が経つにつれて怖くなった
捨てたことが、特殊な経歴でいじめられたことが、なんて私を恨まれているかもしれないし忘れているかもしれないし引き取られているかもしれない
だから名字を夫のものに変えて、髪を染めて子供を引き取った
「それが貴方なの夢子」
「てことは私は孤児院にいた子供の代わりですか」
「ごめんなさい、言い方を間違えたわね。貴方が私の実の娘なの。今まで黙っててごめんなさい、本当は死ぬまで隠すつもりだったのだけれど誰かから漏れたのかな」
と言った後、二人ともうつむいて少し静かで気まずい雰囲気が流れると思いきや夢子が涙を浮かべて優子さんに言った
「恨むなんてことはありませんでした、だから顔を上げてください“お母さん”、私は自身の事とお母さんのことを知ることができてとても嬉しいです、ずっと優子さんをお母さんを愛してます」
この一言で優子さんの涙腺は壊れ泣き崩れてしまった
「ごめん...捨ててごめん...他人のふりしてごめん、どんなにあなたが優しくても言えなかったの、本当にごめん」
「だったら教えて下さいお母さん、特殊とはなんですか」
「それはね」
と言って続いた言葉は俺ですら聞いたことがなかった単語が出てきた
「私は『幽人族』と言って大昔の人間が妖怪や幽霊との間から分かれた人間ではない種族なの、それであなたは半幽半人の珍しい種族なの。いつか幽霊が見えると思うわ」
と言うが俺と夢子はポカンとした顔で見つめ合ったが理解ができなかった
「でも寿命は人の倍以上はあるから夢子は150までは軽く生きてるよ、私ももうすぐ220近いし」
と聞いていない事をいうからどんどんこんがらがってくる
「よくわかりませんがまた後で聞きます、そしてちょっと言いたいことがあります」
「なに?」
といつもの反応で答える
「私と響香くんは付き合うことになりました」
「やっと告白したか響香、まあ私も言えないけど」
と言って気分がよさそうに自分の部屋に戻っていった




