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ホルンの塔攻略編  30階①

「30階のボスはどんな奴?」

「30階のボスはスウィフトバットのボス版です。20階では小さいのが大量に出てきましたが、今度は大きいのと小さいのが数体くらいです。先に邪魔な小さい奴らを倒してからボススウィフトバットと戦ったほうがいいでしょう」

 マリネはそう教えてくれた。

「なあ、前から思っていたんだけどさ、なんでそんなに詳しいの?」

 俺が知らなすぎるだけなのか?

「まあそりゃ前まで冒険者でしたしあたりまえですよ」

 そういえばそんなこと言ってたな。

「どのくらいまで行ったことあるの?」

 Lv8になるにはやっぱり塔のダンジョンに行って戦っていたんだろう。問題はどこまで攻略していたかだ。50階近くまで行ったことあるんじゃないか?あと、そこまで行ったことあるのに何で今俺と一緒にこんなところを上っているのか?

「40階くらいまでですかね」

 やっぱりそうか。俺の知識不足じゃなくてよかったー。

「じゃあなんで40階から始めなかったの?」

 そう。もう40階まで上っているならいちいち最初から上る必要はないと思う。時間の無駄だ。

「それのことですか。それはですね、まずダンジョンに行くためにはパーティを組まないとなりません。それはわかっていますよね?」

 もちろんだ。それを知らなかったら冒険者なんてできないだろ。

「もちろんわかっているよ」

「まあそりゃそうでしょうね。で、ダンジョンに入り口から行けるのは一度行った階しか行けないとも知っていますね?」

「もちろん。で?」

「詳しく言うと、そのパーティのリーダーの一度行ったことがある階しか行けないんです」

「そうなのか。あれ?今は俺がパーティリーダーなのか?」

「そうです。だから40階から始められなかったんです。まあ私が新しくパーティを作ってリーダーになれば40階から始められるんで、30階をクリアしたらそうするつもりです。店員やここのダンジョンで得たゴールドがあれば奴隷の1人や2人買えますから」

 つまり、俺と一緒に上っていたのはお金を稼ぐためだったのか。

「そっか。じゃあとっとと30階のボスを倒して出よう」

「はい!早く倒しに行きましょう!」

 入れさせてもらったパーティと一緒に30階のボスの部屋に行った。


 中に入ってすぐにスウィフトバットが現れて、動き回る。

「数は20階よりだいぶ少ないな。その分ボススウィフトバットが強いのかな?」

「そうですね。身体も大きく力も強いです。しかし、大きい分魔法や矢で狙いやすいです」

 マリネが前回と同じように解説してくれた。その解説が終わると、ボススウィフトバットが現れた。

「確かにデカいな」

 そいつは普通のスウィフトバットの10倍はあった。レベルは7だった。

「みなさんは雑魚のほうをお願いします!私たちでボススウィフトバットを相手しますので!」

 マリネがパーティの人に指示を出す。みんなは頷き、ボスを無視して雑魚を倒すのに専念してくれている。

「さあ私たちはあいつを倒しましょう」

「そうだな。とっとと片づけよう!」

 そんな俺たちの話を理解したのか、ボススウィフトバットもパーティのほうには行かず、こっちに飛んできた。

「私が後ろから援護しますので、前よろしくお願いします!」

「了解!!」

 俺は銅の片手剣と銀の盾をだし、地面を蹴ってボススウィフトバットの注意を引くために攻撃を繰り出す。まず、様子を見るために軽く横薙ぎに剣を振る。すると、ボススウィフトバットは翼で剣をはたいてきた。

「なんだこの力は!?」

 ボススウィフトバットの力が強く、俺の剣はその翼に跳ね返されてしまった。

 ボススウィフトバットは逆の翼で俺を攻撃してきた。俺はそれを左手に持ってた盾で防ぐ。が、やはり力が強い。防ぎきれず盾も飛ばされた。

 これで俺の体はがら空きになり、さらに跳んでいるためまともに動けない。これはピンチだ!

「ホーミング・アーチャー!」

 マリネが矢を放ち、ボススウィフトバットを攻撃した。

 よし!これでマリネのほうを向くはずだ!

 そう思ったが、ボススウィフトバットは矢が当たったことなど気にも止めず俺を翼で叩いた。

「ぐあぁっ!」

 翼で叩かれた俺は床に激突もした。

 しかし痛みにのたうちまわるヒマはない。ボススウィフトバットが追撃をしてきたからだ。その巨体で俺を踏み潰す気だ。

「バック・ステップ!」

 すぐさま立ち上がり、後ろに大きく跳んだ。

「どうやら防御が少し高いようですので強く攻撃しないとなかなかダメージを与えられません」

 マリネが俺の近くに来て助言してくれた。

「わかった。気をつける」

 ボススウィフトバットのHPはほとんど減っていない。これは長期戦になりそうだな。

「あと、あいつのHPが半分を切ったら攻撃をしないでください」

「ん?どうして?」

「《再生》させないためです。多分《再生》が起きるのはHPがもう残り少ないときに起きると思うんです。ギルドでもそういう噂がありますので。なんで高威力のスキル技で一撃で倒せば《再生》しないはずです」

 マリネが早口に説明してくれた。

「わかった。とりあえずまずはHPを半分にまで削らないとだな」

「そうですね」

 話を終わらせ、こっちに近づきつつあるボススウィフトバットと向き合う。もっとダメージを与えないと!

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