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リュウトを追って

次の日、俺たちは依頼に書かれていた場所に向かった。場所はホルンの町の入り口の近くにある一軒の家だった。

「ここに入ってもいいのかな?」

「依頼書にはここが書かれていますから大丈夫だとおもいますよ?」

何も書かれていない至って普通の一軒家だったので、依頼主じゃなくてどっかの誰かの家かもしれないなどと思った。そんな考えをやめて、ドアを開けた。

「リュウ!!」

中に入ろうとすると、突然奥から人が飛んできた。

「うわっ!」

「あ、違った。すいません。もしかして、依頼書を見てきてくれたんですか?」

「あ、はい。そうです。いろいろあって…。」

「そうですか。とりあえず中に入ってください。話したいこともあるでしょうしね。あ、私はメラといいます。」

俺の顔を見て依頼主は言った。


そして俺はリュウトに会って起きたことをすべて話した。


「そうでしたか…。無事で何よりです。」

「はい。ところで、メラさんはリュウトとどんな関係なんですか?なぜ依頼を出したんです?何を知っているんですか?」

「ちょ、ちょっと待ってください。一つずつお話していきますから。」

一呼吸おいて、メラさんが話し始めた。

「とりあえず最初から話すと、私とリュウは依然パーティを組んでいました。二人で依頼を受けたり、ダンジョンに行ったりしていました。しかしあるとき、盗賊達に襲われてしまったんです。私はその時何も出来ずにただただ震えていただけだったんですが、リュウは盗賊達と一人で戦ったんです。ですが、人数差もあり、リュウは追い詰められ、殺されそうになってしまったんです。

そしたら、リュウと戦っていた盗賊のうちの一人がリュウが仲間になるなら、私を見逃してやると言ったんです。リュウは私を守るために盗賊の言うことを聞きました。私は見逃され、一人になりました。弱い自分が悔しかった。しかし、私は盗賊になんて勝てない。だから依頼をだすことにしたんです。しかし、私が出す依頼はなかなか受けられませんでした。どうしてかなと思い、遠くから依頼を見張っていたら、リュウが依頼を見つけ、捨てていたんです。盗賊が見つけ私がやられないように。誰かが依頼を受け盗賊にやられないように。」

そこまで話すとメラさんは一度話を止めた。

そうか。だからリュウトはいつも依頼を探していたのか。メラさんの依頼を破棄するために。あの時もそれを見つけた。だからあんなに焦ってたのか…。

「私は依頼を破棄されてもいつか誰かが見てくれたり、リュウが戻ってきてくれると信じてだし続けたんです。そして、出している間に盗賊のことを調べました。盗賊はザルド盗賊団の奴らだったんです。」

「ザルド盗賊団?」

「はい。リーダーのザルドが作った巨大な盗賊団です。それぞれの町に四天王の一人がいてそいつが全員をまとめているんです。この町にいる四天王を倒せればこの町の盗賊たちはいなくなってリュウも戻ってくると思っています。」

「…倒すって、殺すってこと?」

「いえいえ。捕まえてセラルの町の騎士団に引き渡せばいいんです。」

セラルはこの世界の中心に存在する町のことだ。誰でも行くことができる。そこには王様がいる。

「何でセラルの町に騎士団が?」

俺の頭にある常識にはそんなこと存在しなかったから聞いてみた。

「あれ?まだ知らないんですか?実は最近いろいろな場所で魔物が大量発生して冒険者じゃ手に負えないくらいになっているんですよ。ゼラナの町なんてもう壊滅状態らしいですし。そこで王様が冒険者などを集って騎士団を作ったんです。ゼラナの町の復旧作業や魔物の殲滅などの目的として。今では盗賊の取り締まりやゼラナの町以外の魔物の殲滅なども行っています。」

ゼラナの町とはセラルの町から西にあり、ホルンから北西にある町だ。

「なので依頼の内容は、四天王を捕まえてリュウを助けてほしいのです。お願いします!」

メラさんは土下座をした。

「頭を上げてください!分かりましたから!」

慌ててメラさんを立ち上がらせる。

「僕もリュウトを助けたいです。パーティを組んだ仲ですし。任せてください。」

「本当ですか!ありがとうございます!」

メラさんと約束して家を後にした。


「で、どうするんですか?武器もないし、リュウトさんもどこにいるかわからないのに。」

「うっ。じゃ、じゃあメイサは断れとでも言うのか?」

「そういうわけではありませんよ。私もリュウトさんを救いたいです。しかし、私たちはまだ弱いです。盗賊なんかに勝てるかどうか…。」

メイサが下を向いた。

「俺も今の二人じゃ勝てないと思う。というわけでリュウトを再び仲間にして盗賊を倒そう。」

「え?そんなことが可能なんですか?」

「ああ。だってリュウトは悪いやつじゃないんだろ?ならリュウトはこっちの味方になってくれるはずだ。リュウトがいればあいつらを倒せる。」

「そうですかね?それ以前にどうやってリュウトさんに会うんですか?」

「ん?そこにいるじゃないか。」

「え?」

俺が建物の影を差した。メイサがそこを見ると、リュウトが手招いていた。


「さて、詳しく話してもらうぞ。」

「どういうことですか??なんでリュウトさんがここに?」

「あのなあ。普通帰還カードなんて真っ先に奪うだろ。それに依頼書を間違えて落とすことなんてあるわけないだろ?」

「じゃああれはリュウトさんがわざとやったんですか?」

「そういうことだ。」

「シュウはわかっていたのか。すごいな。」

まあただゲームみたいに都合のいい展開なのかなと思って周りをきょろきょろしてたらリュウトを見つけたから理解しただけだが。

「そうだ。全部俺がやった。お前らなら盗賊にも勝てると思ったからだ。まあ、オークにやられそうになったときに助けてくれたのも大きいけどな。いや、ほんとあの時は死ぬかと思ったからな。」

「それがあの時言ってた借りってやつか。」

「そうそう。まああれがあったからこそ二人を見逃すことを盗賊に納得させられたんだから良かったが。」

「で、これから盗賊団の四天王とやらを倒しに行くのか?」

「俺は二人があと1レベル上げてから挑んだほうがいいと思っている。四天王はLv6だからな。せめてLv5にしておきたいところだ。だからこれからまた森型ダンジョンに挑んで突破するのがいいと思う。俺は一緒にいけないから二人で頑張ってくれ。」

「何でだ?」

「俺は盗賊たちがお前らと会わないようにしておく。その間に頑張ってほしい。ほら、武器とカードケースだ。」

リュウトは俺に渡した後、ギルドに向かって去って行った。

「早くレベルを上げないとな。すぐ行こう。」

「はい。早くレベルを上げて盗賊を倒しましょう!」



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