初めてのダンジョン
依頼達成の報告を終えて、宿に着いた。
「今日は疲れたな。お疲れ様。」
「私は魔法を数回撃っただけなのでそんなに疲れてないですよ。」
ほんと元気はいいな。疲れ知らずか。子供だな。
「夕食を食べてもう寝ようか。」
「そうですね。夕食を食べてから寝ましょう。」
そして、俺たちは宿の夕食を食べた後、すぐに寝た。…もちろん部屋は別々ですよ?一緒に寝るなんてそんなとんでもラッキーイベントなんて起きないんですよ!現実は甘くないんです!いや、ここは現実か?痛みとかリアリティがあったから現実なのだろうな。
いろいろ考え事をしているといつの間にか俺は寝てしまった。
「さて、今日は何しようか?」
「また依頼を受けてみるのはどうですか?」
宿で朝食を済ませ、二人でギルドまで向かう道で話し合った。
「また、一日で終わるような依頼を受けるか。」
「そうしましょう。」
ギルドに着いて、いい依頼がないか探した。
『ねー、ゴブリンの肉取ってきなさいよ』
『村に行くから護衛にきてくんない?』
『シャモアの角を渡せ』
昨日より悪化している…。こんなの受けるやついるのか?
「こんなのはどうですか?」
またメイサが依頼を持ってきた。
『オークの革を取ってきてください。』
なんでメイサが探してくる依頼はまともなんだよ…。
「いいな。じゃあ今回はこれを受けるか。」
革の数も5枚でちょうどいいだろう。受付に行き、依頼を受ける。
「オークはここからカトラの町に行く道に出ますが、すごく少ないのでここから南に行って、草原を抜けた先にあるダンジョンに行ってください。そこにはオークがたくさんいます。」
「了解です。メイサ、行こう。」
「はい。わかりました。」
ダンジョンに向かう途中にシャモア一体にであったが、背後から二人で奇襲してダメージを受けず倒した。
そして、大きな塔のダンジョンの前までついた。
「ここがダンジョンか…。」
「すごく大きいですね。」
メイサも驚いている。なんて言ったってここはこの世界で五つしかない巨大な塔のダンジョンのうちの一つだからだ。
「よし。行こう。」
そして入り口にいた見張りみたいな人に冒険者カードを見せた。
「はい。ランクが足りませんのでここには入れませんよ。」
「はい。ありがとうございます。よし、行こうか。」
「はい。シュウトさん。」
………。
「「え?」」
「だから、このダンジョンに入るにはランク3以上じゃないと入れないんですよ。ランク3になったらまた来てください。」
「…えっと、俺たちは依頼を受けてここに来たんですよ?なんで入れないんですか?」
「あなたたちの勘違いじゃないですか?とにかく、ここから先へは通せませんよ。」
「嘘だと思うならこれをみてください!」
そして、依頼書を見せてみる。
「ほら!!見てくださいよ!!」
「あ~。このダンジョンはここじゃなくてここと逆に行ったところにある森のダンジョンだよ。」
「「え?」」
「そういうことだからじゃあな。」
そう言ってその見張りの人は離れて行った。
「…行こうか。」
「…そうですね。」
ふたりでとぼとぼと反対側へと歩いて行った。受付の人がちゃんと森のほうって言ってくれれば間違えなかったのに!
「やっと着いたな。」
「そうですね。いろいろありましたがやっと着きましたね。」
あのあと、魔物には一体も遭遇しなかった。そのせいでずっととぼとぼ歩いていたのだから時間がかかった。もう昼くらいか。そしてさっきと同じように、見張りみたいなやつに冒険者カードを見せる。
「はい。どうぞ。ダンジョンの説明を軽くさせていただきますと、まず、入り口で入りたい階を宣言してから中に入るとその階に行きます。行けるのは一度は行ったことある階だけです。最初は1階からですのでいう必要はないですよ。上の階に上がるためにはその階のどこかにある階段を上りきると次の階になります。ちなみに魔物に追われて階段に駆け込んだ場合、階段には上がってきません。そして、10階にはボスが待ち構えています。それを倒すとさらに上に進めるようになります。出るときには帰還カードを使うか、空間魔法ででるか、一階の出口まで来るかですね。」
今度はちゃんと通された。
「分かりました。よし、行こう。」
俺は初めて入るダンジョンに期待や不安の入り混じった気持ちで中に入った。
「私も初めてダンジョンに入るのですごく楽しみです!」
俺の気持ちなんて知らず、飛び跳ねている。こいつには不安なんてないのか。
中はそこまで暗くはないが少しは暗かった。足元には草が生えていて、周りにはところどころ木も生えている。そして、壁は木でできている。森の中みたいだ。だから森型か。
「中はこんな感じになっているんだな。」
「そうですね。ちょっと暗いですね。」
メイサも同じことを考えていたようだ。
「よく周りをみて魔物がいたらすぐに対応できるようにしよう。」
「はい。分かりました。」
いろいろ見回しながら先へ進んでいく。ちなみによくある宝箱なんてものはこの世界にはないらしい。魔物がそういうものを落とす場合があるらしい。リアル宝箱見てみたかったな…。でも、ダンジョン内はよくある部屋と部屋を通路で移動するみたいな感じである。そこはよかった。
「シュウトさん。オークがいました。」
「どこだ?」
「いまは向こうを向いていますので攻撃を仕掛けましょう。」
「分かった。行こう。」
二つ先の部屋に一体がいた。向こうを向いている。レベルは2だった。あのとき戦った集団より弱かった。なら大丈夫だろう。
「俺がスキル技を発動させるから、それが終わったらオークに魔法を撃ってくれ。」
「了解です。」




