ホルンの町探索
十四話目です。
防具屋は武器屋の反対側に位置しているので、すぐに着いた。
そこではすでにメイサが防具を試着していた。速すぎだろ…。
「ようこそ。防具についての説明をしてもよろしいですか?」
商団にいたリノさんだった。ヒューマンの優しそうなおばさんだ。
「あ、はい。お願いします。」
「それでは、説明をさせていただきます。まずは、防具は金属タイプ、革タイプ、布タイプがあります。そして、武器とは違い、防具にはレベルが存在し、そのレベルを上がることによって強くなります。レベルを上げるには、鍛冶屋の人に頼んでください。ここまではよろしいですか?」
「はい。大丈夫です。」
「ではそれぞれのタイプの説明に入らせていただきますね。まずは金属タイプ。これは防御力が高いです。その分動きが遅くなります。革タイプはどちらも平均的です。布タイプは防御力が低い分動きやすくなります。回避などはしやすいですね。」
分かりやすく、丁寧だ。さっきの人とは大違い。
「そうですか。じゃあ布タイプの防具がほしいです。」
「分かりました。少々お待ちください。」
リノさんは店の奥のほうに服を取りに行ったみたいだ。
「メイサは何のタイプにするんだ?」
「私は革のタイプがいいと思っています。平均的ですし。」
「そうだよな。俺もそれがいいと思っていたところだよ。」
「持ってまいりました。布には三種類あり、綿、麻、絹の順に質も良くなり、値段も上がります。
とりあえずは綿の鎧がいいと思いますよ?」
「綿の鎧はいくらですか?」
「5万ゴールドですかね。」
「レベルはどうやって確認できますか?」
「カードの状態だとカードに書いてあり、装備中だと自分のステータスに書いてあります。お店で買えるようなものは全部レベルは1です。」
「そうですか。では綿の鎧をください。」
「ありがとうございます。さっそく着てみてください。」
俺はカードとして受け取り、実体化させる。
装備して、何度か飛び跳ねたりしてみたが、違和感もない。しっかり動ける。
「これはいいですね。着心地もいいです。」
「私もこれください!」
メイサは試着していた革の防具を買ったみたいだ。革に関しては詳しく聞いていないからわからない。
「早く次に行きましょう!」
「ちょっと待て!」
止めるより先にメイサは出て行ってしまった…。またかよ!
「ほんとにすいません…。」
「元気でいい子じゃないですか~。」
元気すぎるんですよね~。ほんとに。
「失礼しました。またきますね。」
そう言って店を後にする。今度はどこに行ったんだ?近くにあるのは鍛冶屋と奴隷商の店だ。あ、あと道具屋なんてのもある。確率は三分の一か…。ここだ!
俺は直感を信じ、鍛冶屋へ向かった。
が、鍛治屋に入ってみるとメイサはいなかった。俺の直感使えないな。そんな感想を抱きつつ、店内を見回していると、奥のほうからおじいさんがでてきた。
「見慣れないやつだな。どこかの町からきたのか?」
「いえ。冒険者になったばかりのものです。シュウトっていいます。」
「…。そうか。そいつが何をしにきた?」
「えっと、これからお世話になると思うので、挨拶にと…。」
「済まないな。ここはランク3以上の奴しか相手にしてないんだ。お前は邪魔だ。速く帰れ。」
それだけ告げると、その人はすぐに奥に戻ってしまった。
突然の出来事に分けがわからずしばらく、その場にたちつくした。
そして、すぐに店を出た。
「なんだよあいつ。偉そうなじじいだな全く。」
そのまま適当に歩いていると、狭い路地に入ってしまった。もとの道に戻ろうとあちこち見回したところ、一つの看板が見えた。そこには、
『鍛治屋ルナ本日オープン』
と小さく書かれていた。ここはどうなっているのかな?さっきの店と同じなのかな?あれこれ考えながら中に入った。
中に入るとすぐに女の子の声がした。
「あ!初めてのお客さんだ!えっと、えっと、いらっしゃいまちぇ!鍛治屋ルナへようこそ!私はルナといいます!この店の店長で鍛治職人です!」
一回噛んだな。まあ可愛いからスルーするか。
女の子は俺より小さく、幼く見えた。ドワーフだ。ドワーフは力が強くて魔法が使えない種族だ。
「俺はシュウト。よろしく。まだ冒険者になったばかりなんだけど、この店に来て大丈夫かな?」
さっきの店でのやり取りを思い出して聞いてしまった。
ルナはすぐに頷き、
「あのお店に行かれたんですね?あのおじいさんは口や態度は悪いですが、腕はいいのです。」
そうなのか。でも俺はあんな店を使いたくないな。
「この店はどなたでも大丈夫です!腕はまだあんまり…ですが、精一杯頑張ります!」
「ところで、鍛治屋って具体的に何ができるの?」
「ええっとですね、防具のレベル上げと武器や防具、装飾品の精製。この二つですかね。武器や防具、装飾品の精製などには素材などが必要ですが、防具のレベル上げにはお金があれば上げられます。ただし、レベルアップにも制限があり、一度に上げられるレベルは10までです。1レベルを上げるのに10万ゴールドかかります。」
「そうなのか、ありがとう。とりあえず、今回は挨拶にきただけだから、また今度きたら防具のレベルアップでも頼むよ。」
「分かりました!ありがとうございます。またのおこしを心よりお待ちしております!」
そして、俺は店を後にした。




