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―第陸章 青空のブリーフ―

 あれから少しして。



「いいですか? もう二度と、心配かけるようなことをしてはいけませんからね?」

『……はい』



 説教係……もとい、この家の真の主。最強のマイシスター歩美に説教され、正座のまま完全に沈んでしまった優稀菜、樹里、綺羅先輩の三人。



「歩美さん……怒るとやっぱ怖いっすね……」

「……ええ、そうね」

「……そうだな」



 傍から見ていた俺たちは全員苦笑。

 歩美……下手したら、キャリーよりも怖いぞ。



「ふぅ。じゃあ皆さんわかってくれたみたいですし、もうこんな時間です。優稀菜さん、夕食作るのを手伝ってくださいね」

「はっ、はいなのっ」

「?」



 歩美に名指しされてびくつき、急いで台所に向かう優稀菜。歩美は首を傾げていた。



「優稀菜さんどうしたんでしょう? ほら、樹里さんと綺羅さんもいいですよ」

『ひゃっ、ひゃいっ』

「?」



 樹里も綺羅先輩も同じように反応し、そそくさと歩美から離れる。うん。やっぱりそうなるよね。だって怖いもん。歩美。



「こ、怖かった……」

「……もう歩美に怒られるのはいやよ……」



 ソファに座り、息を吐くふたり。おつかれさん。



「まったく……余計な心配をかけるのはやめてよ。ただでさえ、今はなんとも言えない状況なんだから」

「まさか、エロゲを買いに行くだけでこんなに心配かけさせるとは……ごめんなさい」

「本当にごめんね」

「え? ……えっと……」



 素直に謝るふたりに戸惑う鏡花。

 綺羅先輩はともかく、あの樹里がこんなに素直に謝るとは……歩美の影響だな。



「まぁ、もういいじゃないですか。……それにしても」



 琴美が笑い、部屋全体を見渡す。



「みなさんはいつもこんな感じなんですねぇ。うちも結構賑やかですけど、ここまでじゃないっすよ」

「琴美の家も騒がしいのか?」

「騒がしいっすよ? 絶対兄妹のふたりとはいえ、家にいるときはほとんどアホ……ごほんごほん」



 誤魔化せてないよ、琴美。



「この前なんか、アタシと姉貴が爆弾作るために部屋に籠って薬を調合させていたら、いきなり兄貴が現れて驚かせるんですよ? おかげで驚いたアタシたちは火薬を持っていた手が滑って大爆発。アニメのような絵が完成しました……」

「へ、へぇ……」

「そ、それは……」

「大変だったね……」

「てか、アホね」



 そんなことをすんのかあのふたりは。



「……そんなふたりが……ふ、ふぇ……」

「お、おいおい、琴美。可能性があるだけでまだ決まったわけじゃねぇんだから。ほら、おいで」

「しゅ、シュンくぅん……」



 俺は腕を広げて泣きだしてしまった琴美を抱き寄せ、頭を撫でる。……猫みたいだ。

 そしてなぜか、鏡花たちがジト目で俺を見ている。なんでだよ。俺はただ、泣いている女の子を慰めてやっているだけだぞ。



               To be continued

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