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―第参章 青空のミスチャフ―

「へぇ、そんなことがあったんだ」



 もうすっかり夕方。

 今はみんな、買い物に出かけていて俺がひとりで留守番中だったところにやっと帰ってきた綺羅先輩。



「琴美の家には連絡はしましたし、あっちも了承してくれたので問題ないです」

「そっか。なら問題ないね。じゃあ、明日。雛形隊長にこっちから言って、会議を開くねん。詳しいことは夜ごはんの時にみんなに言うね」

「はい。お願いします」



 事情を聞いた綺羅先輩はすぐに対応してくれた。綺羅先輩はこういう場のセッティングが上手だ。

 やっぱり器用で、気が効く性格をしているから、みんなに信頼されて好かれるんだよな。

 俺も見習おう、っと気合を入れてドンっとソファに座る俺。



「さて……ふたりきりだよ、俊くん」

「そうですね」



 だってみんな買い物行ってるし。



「じゃあ――ちょっとやろうか」

「!?」



 なんだかイヤな予感がした俺は綺羅先輩の方に振り向く。……やっぱり。

 綺羅先輩の両の瞳が……青く染まっていた。



「き、綺羅さん? ど、どうしたんです」

「にひひ。どうもしてない……っよっと!」

「うわぁ!?」



 突然ソファに座っている俺に飛び付いてきた綺羅さん! な、なにを……!?



「うふふ。着替えは俊くんにして貰おうかな」

「はい!?」

「あれー、わかんなかったかなー? はっきり言うね。俊くん、私のお着替えを手伝って」

「いやです!」



 な、なんてこと言ってくるんだこのひと! 



「だいじょーぶだよ。俊くんだったら綺羅先輩は許してくれるよ?」

「そんなはずないでしょう!」



 彼氏でもない男に下着姿見られるなんて年頃の女の子は絶対にイヤだろう。それに俺も、そんなイヤがることはしたくない。



「もー、大丈夫なのになぁ。もったいないよ、俊くん?」

「いいですいいです結構です」

「そっか……じゃあ、引っ込むね。……このままで」



 ……え?……ちょっ!



「……ふぇ……? え、えぇぇえっ!?」



 案の定、オッドアイに戻った綺羅先輩は状況を見て目をまんまるにする。

 だって……ソファの上で、綺羅先輩は俺に抱きついているんだから。



「え、えっと……私……よく覚えてないんだけど……ど、どうしてこうなったの?」



 プルプルと肩を震わせて俺に訊いてくる綺羅先輩。



「え、えっとですね……き、綺羅さんがですね……」

「……またあのひと……」



 顔を真っ赤っかにしながら俺から離れて立ち上がる綺羅先輩。

 ほら、イヤがってるじゃないですか綺羅さん。

 俺に抱きついたことでこうなってしまっているんだ。下着姿を見られたら、それこそ俺は嫌われちゃうよ。あぶなかった……。



「まぁ、いっかな……俊くんだし」

「はい?」

「あ……う、ううん! なんでもないよ! あはは……」

「そうですか」



 曖昧な笑顔で、綺羅先輩は着替えをするために自室に向かっていった。

 よく聞こえなかったけど、多分俺への文句だろう。先輩もフォローしてくれてるし、間違いない。



『ただいまー(っなの)』



 丁度その頃、みんなが帰ってきた。





              To be continued

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