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―第弐章 橘のショッピング―

「ねーえ、俊ちゃん。どれがいいと思う?」

「俊輝ー! こっちも見てー!」



 デパートの中。水着売り場にて。

 俺はなぜかみんなの水着を見ていた。……自分で決めてくれよ。いろいろとドキドキするだろ。



「俊輝、ちょっと」



 鏡花に連れられる俺。ん? どうしたんだ?



「ここで待ってて」



 俺を試着室の前まで誘導。そして鏡花は試着室の中に入った。

 ……これはアレだな。試着室の中を見ようとするけしからん奴を追っ払うための処置だろう。でも、ここには俺ぐらいしか男はいないんだが……まぁ、念のためってことだろう。うんうん、さすがSIC十番隊の隊長。油断も隙もないぜ。誇りに思うぞ、我が妹よ。



 シャァァァア。



 そんなことを考えていると、試着室のカーテンが開く音がした。



「俊輝、見て」

「ん?」



 なにも考えずに振り向く。……そこには。



「きょ、きょきょきょ鏡花!?」



 鏡花の水着姿があった。

 水着は黒のビキニで、それと銀色の髪の毛と最高にマッチしている。かなり扇情的でモデルみたいだった。



「可愛いな……」

「え?」



 思わず口から出た俺の言葉に、鏡花は最初は驚くもすぐにカアァッと頬を赤らめる。



「これにする!」



 そう言った瞬間、鏡花はカーテンを閉めて速攻で着替えてお会計の方に行ってしまった。



「……って、鏡花。そんな簡単に決めちゃっていいのか?」



 そう言うも、もうそこには鏡花はいなかった。



     ❁ ❁ ❁



「よし、これでいいかな」



 俺は会計を済ませる。まぁ、いいかなって思う水着を買ったから、もう用事は済んだ。……あれ? そういえばみんなは?



「兄さん」

「ん? おお、歩美か。……あれ?」




 声がした方を振り向くと……歩美と琴美が立っていた。



「琴美? なんでここにいるんだ?」

「アタシも水着を買いに来たんです。そしたら偶然歩美さんと」



 そうか。琴美も水着を買いに来たのか。

 琴美は俺に向かって言う。



「できれば、選ぶのを手伝ってくれます?」

「いいけど……それって女の子同士でやるのが一番じゃないのか?」

「いえ、シュンくんに選んでもらうのがいいんじゃないですか」

「?」



 なんのことだかわからんが、そう言うんならそうなんだろう。



「わかった。いいよ」

「やったぁ」



 琴美は嬉しそうにスキップしながら売り場に向かう。すげー猫っぽい。今の状態を例えるならしっぽをフリフリさせているだろうね。



「兄さん。私のも選んでください」

「おう、いいぞ」



 可愛い妹の頼みだったら仕方ない。俺は即答する。



「あ、ありがとうございます」



 歩美も嬉しそうだし、これが正解だったのだろう。

 俺は、また女性用の水着売り場に向かった。



     ❁ ❁ ❁



 ……失敗した。絶対に失敗した。

 俺たちが売り場に着くや否や、



「歩美さんは胸の成長がよくて羨ましいですね」

「こっ、琴美さん! そこは触っちゃ……ぁん」

「ほうほう、感度もいいですねぇ……」

「あ……ん……」



 と、琴美によるセクハラが始まってしまった。……やめてくれよ。色々と反応しちゃうって。いや、まだなってないけど。



「琴美、歩美。選んだら呼んでくれ」

「はーい」

「は……ぁい……琴美さん……いい加減怒ります……ぁん!」



 相変わらずだった。

 俺はとりあえず離れたところで待機。琴美の合図を待つ。

 そして、少しして。まだかなぁと待っていると。



 トコトコ。



 誰かが俺のとこまでやってきた。ん?



「シューンくん」

「琴美……って!」



 なんと琴美がここまで水着姿で来たのだ! 試着室から出てまで!



「ゴメン! 呼んでくれていたのに気付かなかったな!」

「ううん。呼んでないよ。自分からここに来ただけだよ?」



 えぇー! う、嘘言うなよ! 俺のせいだろ!?



「そんなことよりどうかな。この水着」



 琴美の水着はブルーのビキニ。胸は控えめだが……琴美の髪の色と合っていて魅力的だった。



「い、いいんじゃないか。ほ、ほら、早く買ってこい。ひっ、ひと目がっ」



 なんだか俺を見る他の買い物客の目が痛い。



「はーい。えへ♪」



 琴美はウィンクをして試着室に戻っていった。……本当に猫みたいなやつだな。こんなとこまで水着姿で来て。垣根を知らない、無垢な猫みたいだった。



「あ。アタシ、これ買ったら帰りますので、待っていなくていいですよ」

「おう、わかった」

「今日はありがとうね、シュンくん」



 琴美も明日の準備があるんだろうな。忙しいな。俺も支度しなくちゃ。



「そういえば……」



 琴美がここに来たってことは、歩美もそろそろかな。見に行ってみよう。

 俺は歩美がいたとこまで行ってみる。……て、あれ?



「歩美ー、どこだー?」



 歩美がいない。……試着室か?



「は、はーい、兄さん。ちょっと待ってくださーい」



 やっぱり試着室からか。

 俺は試着室の前に行く。



「よっと。ど、どうでしょうか、兄さん」



 歩美も実際に水着を身に付けた状態で試着室のカーテンを開ける。

 歩美の水着はオレンジのセパレート。……うん、可愛い。歩美に似合う、元気で可愛らしい色だ。



「いいんじゃないか。可愛いぞ」

「……はぅ……あ、ありがとうございます。じゃあこれにしますね」



 歩美の水着も決まった。ほかのやつらはどうだろう。



「あっ、ここにいたんだね俊ちゃん」

「俊くん、どこ行ってたの?」

「私たち下の食品売り場にも行ったのよ」



 あ。噂をすれば優稀菜と綺羅先輩、樹里が来たぞ。



「ごめんごめん。鏡花は?」

「花摘んでるよ」

「ああ」



 トイレか。



「歩美は今水着が決まった。おまえたちは?」



 俺はなんとなく訊いてみる。



「みんな買ったよん♪」

「俊ちゃん。優稀の水着姿、写真とってもいいからねん♪」

「こ、こら! 優稀菜! な、なんてこというの!」



 いつも通り、賑やかだった。

 このあと、全員が集合して家に帰って、支度をした。

 明日が楽しみだな。





            To be continued

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