―第壱拾章 黄昏のインタビュー―
「じゃ、面接と行きましょう。そこに座って」
響に勧められ、俺は響の正面の席に座る。
俺たちが入ったのは響の部屋。SICは隊員たちが住めるようにひとつひとつ、部屋を用意してある。特に一番隊はとある隊員以外は全員ここに住みこんでいる。
学校とかも問題はない。そのための一番隊だ。
一番隊は様々な分野のプロフェッショナル。全国各地から専門の学者や戦闘員、料理人などを招いてここに住んでいる隊員たちを養い、教育する。だから通称、一番隊は「職員室」と言われている。もちろん隠語で。
響は……まぁ、様子からして一番隊の戦闘指導の先生なのだろう。
「……アンタ、いい眼をしているわ」
そう呟き、響はブルーの瞳で俺の眼を覗き込む。……まるで、俺を見透かすように。
「……相手の力量や動き、特徴をほぼ正確に見ることができる眼……『分析力』に長けているわね。アンタ実は、カウンター技とか得意だったんでしょう? この眼がその証拠よ」
「……よく眼だけでそんなことわかるな」
「大したことじゃないわよ。カウンター技は十番隊隊長なら必要なスキルだから得意なのは当然よ」
「違う違う。『だった』って過去形で言っただろ。それだよ」
「戦い方を忘れているでしょう。そんな瞳をしているわ。――でも人体急所の正確な位置は覚えているみたいね。『戦い方がわからないから、下手に戦えない。もし戦ったら、急所攻撃になって死なせてしまう』と思っているわね。アンタの眼には『不安』の感情があるわ。それは戦いのことについてでしょう? まったく優しくて用心深い感性の持ち主ね」
「……凄いな、響は」
素直な感想を零すと響は苦笑する。
「別に。このぐらいわからないと先生なんてできないわ。『先生』っていうのはね、生徒のことをしっかり見て、しっかり把握して、しっかり指導しないといけないの」
当然のように言う響。……響のこの自信と実力はシルフィアには悪いが本物だ。強い。俺より全然強い。……響の言う「分析力に長けた眼」から導かれている結論だ。間違いはないだろう。
「ふふっ。私を分析してる? 安心して。――これから二日間。私はアンタとつきっきりなんだから」
妖しく笑うが、体格が幼いから残念ながら色気はあまりなかった。
「……失礼なことを考えていない?」
「とんでもない、アハハ」
「……死を覚悟しておきなさい。――よし。面接終了。アンタにはこれから私が直々、戦い方のレッスンしてやるから、移動しましょ」
このあと、俺は響の地獄のレッスンを受け、グロッキー状態になりかけたのは別の話。……響強すぎんだろ。さすが一番隊。先生が優秀すぎるぜ……。
To be continued




