表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/136

―第弐章 黄昏のリフォーム―

「ただいまーっと」

「ただいまー」



 しばらくして樹里たちと別れ、家の中に入る俺ら。

 時刻は五時十五分。

 手を洗い、なにしようかを考えていた俺は家の中の違和感に気付く。

 それは、玄関から少し離れたとこにあるひとつの扉だった。



「? なにこのドア。こんなのあった?」

「……鏡花も気付いたか」



 そう、この扉は昨日まで無かったはずなんだ。正確には今日の朝まで無かった。

 今朝と同じくイヤな予感がした。



「おっ。できてるね」

「さすが優稀菜ね。どれくらい顔が広いのよ」

「それは優稀の秘密なの――って言いたいけど、まぁ、今度教えてあげるの」

「頼んだわ」



 ……扉の向こうから聞き覚えのある――否。さっきまで一緒に歩いていた女子の声が聞こえる! 鏡花なんて口を引きつらせている。

 ――ガチャ。

 俺と鏡花が凝視していた扉が開いた。



「おわっ。俊ちゃん、鏡ちゃん」

「なにふたりともそこに突っ立ってんの?」



 不思議そうな顔で扉からひょっこり現れたのは優稀菜と樹里だった。



「……おまえら……」



 俺は頭を抱え込んだ。なんでこんなモン作ったんだよ……。



「じゅ、樹里、優稀菜。どうやってこんなのを造ったのよ」

「優稀菜の知り合いに建設業社がいてね」

「うん。ス○夫っぽく言うのやめようか、樹里」

「そんなこんなでただでこれを造っていただきました!」



 テンション高くそう言う優稀菜。……ただで、だと? こんな結構面倒な物造るのに?「優稀菜……なんかその建設業社の弱みでも握ってるのか?」



「俊ちゃん、深く詮索しちゃダメなの。こういうのは『へー、そーなのかー』的な感じで流そうよ」

「そんなルー○ア的なノリじゃ済まされないだろ! この家にどうやってその業者さんは入れたんだよ!? 鍵か!? じゃあどうやってここの鍵を入手した!? なんか盗んでいないだろうなぁ!」

「多分なんにも盗んでいないと思うの。もし優稀が訴えたら会社どころか社長さんの本当の意味での首が――あ、なんでもないの、うん。なんか盗まれていたら言ってね。訴訟起こすから」

「なんだって!? 今なんて言おうとした!? おまえはその業者さんになにをしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

「それはね――」

「うわぁぁぁぁぁぁあ! いいっ! やっぱ、なんにもいわんでいい!」

「わかったの。ウフフっ♪」



 俺の反応に楽しそうに笑う優稀菜。こ、怖ぇ……。絶対に優稀菜を敵に回したらアウトだな。色々な意味で。



「はぁ……それで、その業者さんにあんたたちが頼んで、わたしたちが出かけている間に家を改造した、と?」

「うん、そうなの」

「……そう」



 鏡花はこれ以上なにも訊かなかった。俺も、もうなにも訊くまい。

 今日から樹里たちは実質、俺たちと同じ屋根の下で生活することになった。



     ❁ ❁ ❁



『うわっ! なんじゃこれ!?』



 リビングに入り、俺と鏡花が開口一番に出した言葉がそれだった。

 お隣さんの樹里たちの家と完全に一体になっており、広くなっていた。……外から見たら全く変わっていないのに、なんで中身はこんなに変わっているんだ?



「うわー、広いねぇ」

「喉乾いたー。お水お水」



 驚きのあまり開いた口が塞がらない俺と鏡花とは対照的にリラックスしている優稀菜と樹里。…………もう、なにもつっこまない。つっこんだら負けだ。

 鏡花も同じことを考えているのか、なんにも言わなかった。

 ……ああ。波乱しか起きる気がしない。





          To be continued

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ