―100話突破記念&感謝特別編 京竹龍侍の休日―
「なんでボクなのさ」
SIC本部に臨時帰還していたボク……京竹龍侍は作者に対して不満を感じていた。いやだって……。
「100話記念なのにボクを主人公にするとか……一体誰得なのさ?」
俊輝くんのハーレムや響ちゃん、シルフィアちゃんのストーリーならまだわかるよ? でも、ボクってどうなのさ。
ボクただの脇役だよ? しかも今のところなんにも活躍してないよ?
なんだかボクの設定は、作者のこだわりと隊長格だからって理由でチート並の力だっていうけどさ。それでもモブキャラだよ?
「ホント誰得だよ。京竹龍侍ファンなんてボクの予想だとひとりもいないと思うよ? マジで誰得だよ」
「隊長。そろそろ自嘲するのはやめてください。心が痛みます」
ツッコんでくれたのはボクのところ……三番隊隊長補佐官の狩野瑞姫ちゃん。
冷静だけどメガネっ娘じゃないよ。でも充分可愛い。
「さっきからメタ的な発言が目立ちますよ。そこは自重なさってください」
「あーい」
瑞姫ちゃん……「自嘲」と「自重」とは、随分とうまいこと考え付くじゃないの。
「……あ。狩野瑞姫です。三番隊隊長補佐官です。メガネっ娘じゃないけど、冷静です。以後、お見知り置きを」
「ねぇねぇ、瑞姫ちゃん。メタ的発言は自重した方がいいんじゃなかったっけ?」
「いいんです。今のうちになんか言っておかないと、次いつ出るのかわからないので」
「まぁねぇ」
確かに。今のうちになんかしておくのも手かもしれない。なんかこう……印象つけるために。
「よーし、瑞姫ちゃん。ここはひとつ、とりあえずハッチャケてみようか。せっかくの時間を設けてくれたんだしさ」
「ですね。では隊長、一体なにをするんです?」
そうだなぁ……よし。
「ボクはどうやらチート性能らしいからひととはかけ離れたことをしてみようか」
「かけ離れたこと? どんなことできるんですか?」
「ボクはなんと、鬼○が使えるんだ」
「○道!? 鬼○ってあの……BL○ACHで死神が使っているアレですか!? いや、それはさすがに」
「破道の八十八、飛龍撃○震天雷砲」
ドォォォォォォォォォン!
ボクの手から雷を纏ったぶっとい光線が発射された。
「撃てた!?」
「撃てちゃったねぇ。さすがボクだ。難しい八十番台を死神でもないボクが詠唱破棄でいとも簡単に成功させちゃったよ」
「そっ、それよりもっ! あああ! 大変ですよ! どうするんですかこれ!」
ボクが撃った飛龍撃賊○天雷砲によってでっかいクレーターが三番隊隊舎の廊下に出来てしまった。
「なんすか今の音! って、あれ? 京竹隊長? 狩野隊長補佐官? どうしたんすかこんな廊下で……って! なんすかこの穴!」
音を聞いてかけつけてきた赤い髪の女の子は古岩井涼香ちゃん。
「いや、ボクがね――」
「隊長、話がややこしくなるんで黙っていてください。あと、もう二度と鬼○を使わないでください。小説的にも現実的にも危険です」
「そうだね。わかったよ」
さすがに鬼○はやり過ぎたか。
その様子を見ていた涼香ちゃんは首を傾げていた。
「なに話してんの?」
「ああ、なに。うん。事故だよ事故。ボクらの身になにも起こってないから、心配しなさんな。それより、とりあえず大工を呼んで来てくれないかな。これ、直さないと」
「は、はぁ……それじゃ」
電話を掛けるために、ここから立ち去ってくれた。
「ふぅ、今の音聞いてここに来たのは涼香ちゃんだけってどういうこと? そういえば、他のみんなが見えないけど」
「他の皆さんは仕事でFBI定期派遣中ですよ」
「ああ、なるほどねぇ」
そりゃ大変だ。
「あれ? 瑞姫ちゃんと涼香ちゃんはいかなかったの?」
「ええ」
「どうして?」
「私は雑務が残っていたので。古岩井さんは……寝坊です」
「あー」
ふたりともらしいって言っちゃらしいなぁ。
「とか言っちゃってぇ、ホントはボクが帰ってきて待ってくれてたんじゃないのぉ?」
「キモイです女たらし隊長。そんな理由で大事な派遣を断ると本気でお思いですか?」
「ちぇー、つれないでやんの。……でも、そんなそっけない瑞姫ちゃんも大好きだよ」
「う、うるさいです」
「あ、今照れた? 照れたでしょ? 照れちゃったんでしょ? 顔赤いよ~」
「……し」
「し?」
「死ねやこの見境のない女たらしがぁ!」
お顔を真っ赤っかにしている瑞姫ちゃんに虚を突かれて突き飛ばされる。おお、いい威力だねぇ。
「なんのこれしき」
ボクはすぐに受け身をして態勢を整えるけど、もうさっきいたところに瑞姫ちゃんはいなかった。
どうやら速攻で逃げたらしいね。うー、可愛いねぇ。
「……さて。ボクも溜まっている雑務を片付けないと」
そのために戻ってきたんだ。
とっととお片付けをしよしよ。
To be continued




