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 リリアナが次期公爵夫人の立場にあるのは間違いないーーと言って茶会に乱入してきたのは、アークの弟のパトリックだ。


 天使のような美貌の貴公子パトリックの突然の登場にアンナとマリアはきゃぁきゃぁと喜んでいる。

 こんな美貌を間近で見れるなんてーーーと心の声が聞こえてきそうである。リリアナは2人のミーハーっぷりに呆れながらも、友人達にパトリックを紹介することにした。


「パトリックったら、突然びっくりさせないでよーー、みんなにパトリックを紹介しても?」


 リリアナがそう言うと、アンナとマリアはブンブンと大きく頷き、キャロラインは友人2人のはしゃぎっぷりに困ったように笑った。



 ーーーーーー



「茶会での件はリリアナから聞きました。倒れたリリアナを運んでくれたのだとか?」


「あぁ、大切な義姉上だからね。兄上にも昔から、リリー姉様をしっかりサポートするように常々言われているんだよ」


「では、パトリック様はリリアナとは幼少期以来の関係なのですね」


「そうだね。兄上のおまけとして、リリー姉さまとは幼い頃から親しくしているよ」


 キャロラインが含みをもって言うと、パトリックが笑ってかわす。何故か、2人の言葉遊びはさっきの自己紹介から長々と続いていた。アンナとマリアはテーブルの上に置かれた帝都のスイーツを堪能中だ。


 ーーーキャロラインとパトリックの2人って結構気が合うのね


 パトリックには婚約者はいないが、キャロラインには同じ伯爵家の婚約者がいる。せめて関係が発展しても友人止まりかーーと世話好きおばさんと化して、リリアナは2人を眺めていた。


「キャロライン嬢、マリア嬢、アンナ嬢は、リリー姉さまと仲良しなんだよね?後で、兄上にも紹介させてもらいたいから、晩餐でもどうかな?」


 パトリックはリリアナの3人の友人を気にいったようで晩餐に誘った。アンナとマリアは喜んで頷いている。しかし、友人3人とも帝都の滞在先が公爵家の屋敷とは離れた場所にあった。友人達を晩餐に招待するとなると、帰宅が遅くなってしまう。この場合はどうするのか?ーーとリリアナは、回りに目を向けると、側に控えていたサラが軽く頷いてリリアナに合図を送った。


 ーーーえ?!どうしろと?


 リリアナには、元日本人の大学生までの知識はあるが、貴族間のやり取りの場合どうすれば良いか全く分からない。頭を傾けて分からないとサラに念ずれば、サラが前に進み出た。


「失礼ながら発言させて頂いても?」


 サラがリリアナに了承を求めるので、パトリックの顔を伺うとリリアナに笑って応えた。


「リリー姉さまは次期公爵夫人なのだから、ご自分のお気持ちのままに」


 ーーーまだ、結婚していないんだけど?


 周りの目が自分に集まってると感じたリリアナは、サラに助けてもらおうと頷き、話の先を促した。


「ありがとうございます、リリアナ様。(わたくし)はリリアナ様の侍女のサラと申します。恐れながら皆様に発言をお許し頂きましたので申し上げますーーーパトリック様からありました、晩餐の件ですが、ご令嬢方のご帰宅が遅くなり危険でございます。もしも、ご令嬢方のご都合が許すならば、本日は当家にご滞在頂くのはどうかと」


 リリアナがなるほどなぁーーと1人で感心していると、ふっと身の回りの風に緊張感が走った。 


 ーーーあれ?誰か来る


 リリアナが風の精霊の気配が変わったため、辺りを見渡すと、屋敷の方から男性が歩いて来るのが分かった。


「リリアナ様?いかがなさいました?」


 リリアナの注意が他に逸れているため、サラが心配そうに声をかけてきた。


 ーーーあぁ。返事しなきゃ


「3人とも今晩、リーフェンシュタール公爵家に泊まれるかどうかよね?みんなは泊まれそう?」


 友人達3人を見れば、アンナとマリアはこくこくと頷いているが、キャロラインは心配そうに眉を寄せている。


「ですが、急に宿泊するとなるとリーフェンシュタール公爵家にご迷惑にはなりませんか?」


 キャロラインがそう言うので、それもそうだなーーとリリアナは思う。メイルズ男爵家ならば、当日の宿泊客の対応は大慌てになるところだ。


 ーーー部屋とか食事とか準備も必要だし、キャロライン達の家にも電報が必要だしね


 転移魔法の水晶は高価すぎて、友人達は使うのをためらうだろうしーーとリリアナが悩んでいると、パトリックが見かねて助け船を出した。


「うちなら問題ないよ。父上も母上の急な来客もたまにあるし、充分に対応できる。それに、リリー姉さまの大切なご友人達だもの。泊まってもらって問題ないよ」


 父上も母上も今日は夜会で外出するから、晩餐も気楽にねーーと軽く言うが、リリアナは公爵夫人に許可なく、急に友人達を本当に宿泊させても良いのかと思い悩む。


「サラは念のため、ダイアナ様に宿泊の許可を頂いて来てもらえるかしら?もしも、許可が降りたら、準備を各方面に伝えて」


 やっぱり、居候の立場では判断出来ないと、リリアナはサラに公爵夫人ダイアナへ確認をしてくるように頼んだ。



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