第一話(2) はなびら
「なにしてるの!可愛い子猫ちゃんですね。」
「冬城君が飼ったの?」、活発な声でちょっと僕をビクリしちゃた。
振り返ってなにも答えられず、僕たちの視線が重なってるだけ、すごしの沉默が訪れた。
「あぁー、うちの猫じゃなくて、通りかかったという、子猫ちゃんはすでにこの箱にいた。」
友達いない僕、小さい声で返答した。
でも、そんな輝いている彼女の目に会うのがちょっと厳しいかも、すぐに目を下ろした。
「じゃ、冬城君は子猫ちゃんを連れて帰るか。」
彼女のキラキラような目がやはり直視できないなぁ、心の中に不意にそう思った。
「飼いたいですけど、うちはペット禁止なんだ。きっと怒られるから。」
僕は不満を隠せないような表情でそう言った。
「冬城君、おもしろい。うちは飼えるそう。お父さんやお母さんと相談したら、多分いけると思う。」
「なら、連れて帰ってもらってもいいんですか?」
「もちろんだ! 連れて帰れたら、感謝の気持ちでいっぱい。でも、桜木さん、僕も桜木さんの家に『黒子』を見に行ってもいいかな?」
「いいよ。手伝ってくれたらね。『黒子』は、あの子の名前だっけ?」彼女はニコニコして、そう言った。
「はい。さっき、付けた名前なんですけど。」
「そうなんだ。やっぱり楓人君はおもしろいね。」
「楓人」はなんだ、脳内を高速で駆け巡って、何度も確かめて、確かは楓人君と聞いたはずた。
初めての呼び捨て、顔が真っ赤になっただろうか。
まだ、沈黙が来た。
「楓人君、どうして?顔は赤いよ。あぁ、楓人君のほうがいいよ、仲良い感じだし、苗字は友達ぽっくないですか。」
ちょっと照れした彼女は緊張して説明していた。
「そうですね、桜木さんも呼びにくいし。なら、はるかちゃん……。」
そんな変な理由や不自在感がしている僕は、なにも言わず、一つの桜に目を向けた、その花びらがアスファルトに反射したまま、はるかの前にゆっくり落ちた。僕は、そっと『はなびら』に見惚れちゃた。
「顔、なに付けてるの、そんなに見て。」
「まぁ〜、なにもないけど。」
そして、僕たちなにも言ってなかった、ただ黒子を運んでいたまま、はるかの家に向いかって、夕日に当って、少し熱い帰り道で歩いていた。
僕は中学の一日目、初めての友達ができた。
その日、桜が舞い落ちた。




