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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第一章 ツブキの新たな生活

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新しいパーティーメンバー

「お前には、こいつとパーティーを組んでほしい。今の段階では極道が冒険者になることはできんからな。お前が王都にいる間だけの、一時的なパーティーになるが」

「こいつとパーティーを組む? そんな必要あるんですか、サランドさん」


 ナグモは僕を見る。

 サランドさんは、ナグモの頭を無理やり下げさせる。


「悪いな、ツブキ。こいつはナグモ・タキナワ。タケイサ組に入って四年目だ。まあ、まだまだひよっこの方だがな」


 四年目でひよっこなんだ。極道って大変だな。


「サランドさん! 俺はひよっこなんかじゃないですよ! ばりばりの武闘派っす!」

「私からすれば、みんなひよっこみたいなもんだ。……まあ、今はその話はいい」


 サランドさんはナグモを一瞥してから、僕を見る。


「お前には、ミサキという女性を護衛するためにここにいるツブキとパーティーを組んでもらう」

「サランドさんが言うなら従いますけど……こいつ、本当に強いんですか?」


 ナグモは僕に疑いの目を向ける。

 当然だろう。僕自身、自分がそこまで強いとは思っていない。


「こいつは元勇者パーティーの一員だからな。強いぞ」


 サランドさんは即答した。


「私が、あの勇者パーティーで唯一認めている男だ」

「唯一……ですか」


 ナグモの表情が変わる。


「今の勇者パーティーの状況を聞くと、はい、そうですかって簡単には納得できませんけどね」


 今の勇者パーティーの状況?

 ディアモ……何かやらかしたのか?

 だが、もう僕には関係ない。

 そう思って、勇者パーティーの話はなるべく聞かないようにしていた。

 だからこそ、その言葉が少しだけ気になった。


「まあ、なんだ」


 ナグモは気を取り直すように笑う。


「パーティーを組むなら、よろしく頼むぜ」


 そう言って、ナグモは僕に手を差し出した。

 僕はその手を見る。


「……何か仕込んでない?」

「仕込んでないさ」


 ナグモは苦笑する。


「俺は卑怯なことが嫌いなんだ。サランドさんが認めているってんなら、お前の実力も大したもんなんだろ」


 少なくとも、今のところ敵意はないらしい。僕はナグモの手を握る。


「よろしく」

「おう」


 次の瞬間、ナグモの手に、力が込められた。握力で僕の実力を測るつもりか。


「卑怯なことは嫌いだが、握手はしたんだから、こっからは卑怯じゃないよな?」

「残念だけど、僕は握力には自信がない」


 僕は平然と答える。


「だから、離してくれると助かる」

「……へえ」


 ナグモの目が細くなる。

 その瞬間、僕は異能を発動した。

 ナグモの背後に、一本の剣が現れ、切っ先は、ナグモの背中へ向けられていた。


「――やめないか、二人とも!」


 サランドさんの怒声が響く。

 僕とナグモは同時に手を離した。


「ったく……ここはギルドマスター室なんだ。いくら防音とはいえ、少しは考えてくれないか?」

「すみません、ギルドマスター!」


 ナグモはすぐに頭を下げる。


「俺、すぐにギルドマスターの頼みをこなします!」


 そう言うと、ナグモはギルドマスター室から出ていき、僕もその後を追おうとする。

 すると、サランドさんが僕を呼び止めた。


「あんなやつだが、悪いやつじゃない。根はいいやつだから、仲良くしてやってくれ」

「……分かりました」


 僕はそう答えると、ギルドマスター室を出た。廊下の先には、ナグモの背中が見える。

 僕はその後を追う。

 こうして僕は、極道のナグモ・タキナワと一時的にパーティーを組むことになった。

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