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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第三章 勇者選別編

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カゲヤとツメヤ

 ツメヤは僕に再び近づき、爪を伸ばして攻撃してくる。


「はっはぁ!避けるだけじゃどうにもならないぜ! 避けるしかできないならな!」


 ツメヤが喋りながら攻撃してくる。その隙を狙い、僕はツメヤの影へと入り込んだ。


「どこに消えた!」

「ここだよ」


 僕はツメヤの背後にある影から姿を現し、影の剣でツメヤの背中を突き刺す。


「っぐ!」

「僕の異能――影は、敵の影の中に入り込むこともできる。そこから出て、今みたいに攻撃することもできるんだ」


 僕はツメヤに自分の異能を説明する。


「ただ、そのためには一度、影の中に入らないといけないんだけどね」


 僕がそう言うと、ツメヤは自分の伸ばした爪を一本、剣で斬り落とした。

 そして、その爪を僕に向かって投げつけてくる。


「そんな異能で、この俺を倒せると?」


 飛んできた爪を、僕は影の剣ではじき飛ばす。

 そして次の攻撃へ移る。


「シャドウトルーパー――弓兵!」


 僕の足元にある影から、影の兵士――弓兵が姿を現す。

 弓兵はツメヤへ向けて弓を構えると、何本もの矢を放った。

 しかし、ツメヤは矢を避けようともせず、その身に何本もの矢を受ける。


「ふ、ふふ……そんな……異能と……言ったことは……謝ろう……」


 ツメヤは傷ついた身体を震わせながら、笑みを浮かべる。


「ツブキ……お前の異能……なかなか最高じゃないか」

「それはどうも!」


 僕は弓兵に命令する。


「胸を狙って!」


 弓兵はツメヤの胸へ向けて矢を放つ。

 矢はツメヤの身体へ突き刺さり、ツメヤはそのまま地面に仰向けに倒れた。


「……勝った」


 僕は倒れたツメヤを確認すると、訓練場の入り口で観戦していたステイティア王のもとへ向かう。


「僕が勝ったよ。これでいいのかな?」

「ふむ。では、あの倒れている者も連れてきてくれんか。騎士たちがいないのでな」


 ……なら最初から、勝者が敗者を連れてきてくれと言ってほしかったよ。

 僕は心の中でステイティア王に文句を言いながら、ツメヤを運ぶために訓練場へ戻る。

 そして影を使ってツメヤの身体を拘束すると、そのまま担ぎ上げて運んだ。


「ツメヤという男については、調べきれていなかったな。まさか、もう一つの人格がカゲヤの中にあるとは……。情報屋も、そこまでは調査してくれなかったか」


 ステイティア王は、僕や勇者候補たちに向かってそう言った。


「次はスカイスとシムラ。お前たちで戦ってくれ」

「はい!」


 シムラは返事をすると、スカイスとともに訓練場へ入っていく。


「え? 私は誰と戦うんですか?」


 アゲルがステイティア王に尋ねる。


「アゲルには特別ゲストを相手してもらう。もう少しすれば、こちらに来ると思う。だから心配するな」


 ステイティア王はそう言うと、訓練場へ入っていくシムラとスカイスを見つめる。


「じゃあ、始めるよ!」


 シムラは準備運動をしながら、スカイスを見る。


「あんたは本気でやらないと、下手すれば死ぬからね。最初から本気で行くよ!」


 するとスカイスは、シムラに向かって指をくいくいっと動かし、挑発する。


「遊んでやるから、かかってこい。せいぜい我を楽しませろ」


 スカイスがそう言った瞬間、シムラは手に何かをはめる。


「はぁっ!」


 スカイスの腹部へ向かって、拳を叩き込んだ。

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