中央ステイティアの半グレ
ツブキは宿の部屋に戻り、ナグモたちのことを考えている頃ーー。
中央ステイティアのとある場所では、ある集団が集まっていた。
集まっていたのは、半グレ集団――ビルドン。
ビルドンのリーダーであるシグマ・ピスティスは、これから始める仕事を説明する為、幹部や構成員をこの場所に集めていた。
「お前ら!でけぇ依頼が入った!それについて説明する!」
シグマがそう言うと、部下たちはシグマの前に集まる。
「俺たちビルドンは、これからステイティア王を狙う。そして王を殺した後、俺たちがこの中央ステイティアを裏で管理する。――もとい、好き放題やる!」
シグマが部下たちにそう告げると、ビルドンの幹部三人のうちの一人が口を開く。
背中には大剣を背負い、顔には傷跡がある男だった。
「シグマさん。その依頼主とやらは信用できるのかい?」
「黙って従え、ニシカ。今回の依頼人について聞くことは許さん」
シグマがそう言うと、ニシカは何も言わず、一人でビルドンの集まっている場所から出ていく。
「ニシカ!どこに行く!まだ話は――」
「悪いけど、俺は好きにやらせてもらう。シグマさん。あんたは誰かの指示に従うような小物じゃないと思っていたが……俺の勘違いだったみたいだ。じゃあな」
ニシカはそう言い残し、その場を去っていった。
シグマは、去っていくニシカを睨みつける。
そんなシグマの肩に、一人の男が手を置いた。
紫色の髪に、顔には少しだけ髭を生やしている。年齢はシグマよりも少し上に見える男だった。
「まぁまぁ、そうイラつくなよ。シグマの大将。ビルドンと俺たちサング組は、仲良くしようって話じゃないの」
「そうであったな、ガルン殿。いやはや、思い通りにいかないと少し苛立ちやすくてな」
「はっはっは。若い時はそんなもんでしょ。ま、俺もあんまり大将と年齢変わんないけど」
ガルンは軽く笑いながら言う。
するとシグマは、ビルドンの構成員たちに指示を出し始めた。
ガルンはシグマから離れ、その指示を遠目から眺めていた。
その時――
ガルンの背後に、黒い服をまとった人物が瞬時に現れた。
「ガルン様。南ステイティアの方では、ブンドルとバルトスの二人は、あまり役に立たなかったそうです」
「ありゃ。やっぱりか。直接手を出そうとするから、簡単にやられちゃうんだよ。もっと頭を使って、利用できるものは利用しないと」
ガルンがそう言うと、黒い服をまとった人物は続ける。
「バララ様より、ガルン殿に伝言を預かっております」
「バララさんか? なんだい?」
ガルンが尋ねると、黒い服をまとった人物は淡々と告げる。
「これ以上の失態は許さないそうです」
「あららぁ。俺がミスったわけじゃないんだけどなぁ。ま、いいや。了解って伝えといて」
ガルンがそう言うと、黒い服をまとった人物は、ガルンの前から姿を消した。
ガルンはその場に残り、シグマたちの様子を眺め続けていた。




