調査 2
ホーリィに案内された僕は、宿に入ると宿屋の主人に部屋まで案内された。
僕の部屋というより、宿に泊まる人の部屋は基本的に二階にあるらしい。
そして現在、この宿には勇者候補者だけが泊まっているらしい。
僕は部屋で少し休んだ後、一階の休憩スペースへ向かった。
そこには、火の魔法で騎士を焼き殺したスカイスと、商人のアゲルがいた。
「おや。君は確か、ツブキ君だったかな」
アゲルは僕を見かけると、すぐに近づいてきた。
そして僕の周りをぐるぐると歩きながら、じろじろと僕の身体を見る。
「君、なかなかいい体してるね」
いきなりなんだ、この人。
商人ってこんな人が多いのかな?
「そんないい体じゃありませんよ。普通です、普通」
「謙遜はよくないよ。君はそこら辺のやつより、だいぶマシだね。勇者候補者たちも、なかなかいい体の人が多い。一人を除いてね」
アゲルがそう言うと、今度はスカイスも僕に近づいてくる。
「我もお前のことはすごいと思っている。我はお前をよく知っているからな。前の勇者であるディアモのパーティーにいた荷物持ちの男。そんな奴が、この勇者選別にいるのだからな」
悪い意味ですごいと思っているわけか。
「そうですか。僕と直接戦えば、どれくらい強いかは分かると思うよ」
「そうだな。だから戦う時を楽しみに――いや、楽しみにはしないか。期待外れのやつは多いからな。我を楽しませてくれれば、それでいい。それくらいの気持ちで頑張れ」
スカイスはそれだけ言うと、休憩スペースから出ていった。
「スカイスさんは、なかなか強気ですね。私は戦闘面ではあまり強くないですから、あんな自信は持てませんけど。商人は頭を使ってなんぼですから」
スカイスが休憩スペースから出ていった後、アゲルが僕に話しかけてくる。
直接聞くのもどうかと思うけど、アゲルには聞いてみるか。
こいつは利益になることなら、簡単に情報を集めてきそうだ。
「アゲル」
「ん?なんですか、ツブキさん」
「君は、ステイティア王の命が狙われているのは知ってるかい?」
僕が聞くと、アゲルは少し驚いた顔をする。
「まさか、ステイティア王を狙う馬鹿がいるなんて。王には最強とも呼ばれている護衛もいるのに」
護衛のことは知っているんだ。
アゲルが王を狙う可能性は低そうだけど、話を聞いておいて損はないはずだ。
「ステイティア王が狙われていることを聞いたのは、初めてですか?」
「はい。初めて聞きました。私はそういう情報にはあまり力を入れていなくて、どちらかというと商品の情報ばかり集めていますから」
商人だし、そんなものか。
僕がそう思っていると、アゲルは何かを思い出したかのように口を開いた。
「そういえば……最近、気になるものがよく売れているんですよ」




