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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第三章 勇者選別編

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調査

「助かる。ツブキ。では、空間から王の間に戻るぞ」


 ステイティア王がそう言うと、指をパチンと鳴らした。

 すると、ガーと戦った空間から一瞬にして景色が変わり、僕たちは王の間へと戻っていた。


「ツブキ。ガーよ。お前たち二人に、余の命を狙う不届き者を調べることを命ずる」


 ステイティア王は僕たちを見ながら続ける。


「余は、その者が勇者候補の中にいると思っている。だが、そやつに仲間がいる可能性もある」


 王の表情が少し険しくなる。


「ガーは余の護衛から少し離れ、城の外――中央ステイティアの城下を歩き回り、怪しい者がいないか調べてほしい。そしてツブキには、候補者の中に余を狙う者がいないか調査を頼む」

「「はい!」」


 僕とガーは同時に返事をした。

 ステイティア王との話を終えると、僕とガーは王の間を出た。


「ツブキ殿。俺はどう動けばいい?」

「どう動けばいいって……ステイティア王に言われただろ。城下を調査しろって」


 僕がそう言うと、ガーは首を横に振った。


「確かに主人はそう言った。だが、正直なところ、護衛の中にステイティア王を狙う不届き者がいる可能性もある。だから、多少は違う行動をしないといけない」

「なるほど……」


 確かに、それは一理ある。でも――。


「そんなこと言ったら、お前はなんで護衛から外れるんだ?」

「それも敵を油断させるためだ」


 ガーは少し声を落として言った。


「それと……お前には言っておこう。俺も異能持ちだ」

「異能持ち?」

「俺の異能は、戦闘面ではあまり役に立たん。だが、護衛としては非常に役に立つ」

「どんな異能なんだ?」

「俺の異能は――対象の危機感知だ」

「危機感知……」


 対象の危機感知ということは、ステイティア王にその異能を使っているということか?


「俺の危機感知にかかれば、俺が信頼する部下が王を守る手筈になっている。だから大丈夫だ」


 ガーはそう言うと、僕の目を見た。


「ツブキ殿。俺の異能を説明した上で、もう一度聞く。お前はどう動く?」

「どう動くって言われてもな……」


 僕は少し考える。中央ステイティアについて、ほとんど何も知らない。

 城下の調査なら、ガーのほうが適任だろう。

 だったら僕は――。


「僕は他の候補者を調べる。ガーは城下の見回り。それと、王に近づく者がいないか調べる。それでいいんじゃないか?」

「ツブキ殿がそう言うなら、それでいこう」


 ガーは頷いた。


「では、今日は解散としようではないか」

「ああ。また何か分かったら教えてくれ」


 ガーはそう言うと、僕とは反対方向へ歩いていった。

 僕はその背中を見送ったあと、城を出ることにした。

 すると、城門の前で見覚えのある人物が待っていた。

 僕を家まで迎えに来てくれた騎士――ホーリィだ。


「ツブキ。お疲れ様」

「お疲れ。何か用かな?」

「ステイティア王から、ツブキは勇者候補たちが泊まっている宿を知らないだろうから、案内するように言われたの」


 ホーリィはそう言うと、僕に背を向ける。


「だから、私についてきて」

「分かった」


 僕はホーリィについていく。

 歩くこと数分。

 僕の目の前に、大きな宿が現れた。


「ここが……?」

「そう。ここに他の候補者たちも泊まっている」


 ホーリィは宿を見上げながら言った。


「仲良くしてくれ」


 僕は宿を見つめる。

 ここに、他の勇者候補たちがいる。

 そして、その中には――ステイティア王の命を狙っている者がいるかもしれない。

 僕は少しだけ警戒しながら、宿へと足を踏み入れた。

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