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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第三章 勇者選別編

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王を狙うもの

「安心しなさい。そいつは死んでいない。ただ、騎士団に復帰できるかどうかはわからないけどね。命ってのは一つしかない。簡単に奪うものではないよ」


 アゲルはそれだけ言うと、訓練場から出ていった。

 ランラは、鎧を破壊され、皮膚が焼けただれているゴウに近づく。

 そして、心臓のある位置に耳を近づけた。


「心臓は……動いている。ならば」


 ランラはゴウを背負い、訓練場から出ていく。


「ステイティア王。今は人命救助を優先しますので、失礼いたします」


 そう言い残し、ランラはゴウを背負ったまま訓練場を後にした。


「二人の強さがこれだけあるなら、他の者たちも大丈夫であろう。今日はこれにて解散とする。勇者候補たちには、このステイティア城付近にある宿に泊まってもらう。それと、ツブキ・ドゥン。お前は残るように。他の四人の案内は騎士たちに任せる」


 ステイティア王がそう言うと、スカイスたちには一人ずつ騎士がついた。

 そして、彼らは訓練場から出ていった。

 僕とステイティア王は、スカイスたちが出てからしばらくして、王の間へと戻った。


「お前だけ別に呼んですまんな。気を楽にしてくれ」

「は、はぁ。王様がそう言うのであれば」


 僕はステイティア王に言われたとおり、肩の力を抜いた。

 ステイティア王は一息ついた後、僕に言う。


「……すまなかったな。勇者候補に入れてしまって」

「え?」


 確かに、勇者候補に選ばれたのは急な話だった。

 でも、なんで僕にだけそんなことを言うんだ?


「なんで僕だけに?」

「勇者が必要なのは本当だ。だが、実はな。余は狙われているんだ」


 え、ステイティア王が狙われている?

 でも、それと勇者選別に何の関係があるんだ?


「今回集めた勇者候補たちの中に、余を狙う者がおるかもしれんのだ」

「そうなんですか? でも、集めた人たちの情報は……」

「調べはした。だが、誰が余の命を狙っているかまではわからん。そして、お前以外の四人には疑いがある」

「僕以外の四人に……?」

「お前はサランドの紹介だからな。疑ってはいない」


 サランドさんとは仲がいいのかな?

 僕をそこまで信頼しているということは。


「無論、あいつが極道なことは知っておる。だが、あいつは仁義をおもんじる極道だ。だから余は、あいつを信頼しておる」


 ステイティア王は、僕をまっすぐ見つめる。


「そして、そんなあいつが勧めてきたのがお前だ。余はそれで、お前を勇者候補にねじ込んだ」

「……」

「お前には、他の者たちを調べてほしいのだ」

「僕が……ですか?」

「お前一人だけに行動はさせぬ。こやつをつけよう」


 ステイティア王が手を叩く。

 すると、王の隣に一人の男が現れた。

 黄色の髪が特徴的な男だった。背中には、両手斧を二つ背負っている。上半身は白いTシャツに土色の胸当て。

 下半身は、膝の部分が破れた黒い長ズボンを履いていた。

 男はステイティア王の前に立つと、深く頭を下げる。


「お呼びですか。我が主人」

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