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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第三章 勇者選別編

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火のスカイス

 ステイティア王の後に続き、僕達は騎士団の訓練場へとやって来た。

 訓練場に到着すると、ステイティア王が僕達に向かって口を開く。


「では、まず候補者同士で争う前に、余の自慢の騎士団と戦ってもらう」


 王がそう言った直後、背中に二本の剣を背負った、茶髪で整った顔立ちの男がステイティア王へと近づいてくる。


「王よ。騎士達の準備はできております」

「ご苦労。騎士団長、ランラ・サンサ」


 ステイティア王がそう呼ぶと、ランラは僕達のほうへ振り向く。


「では、まずは誰が来るのだ?」


 ランラが僕達に問いかける。

 すると、白い仮面をつけた男――スカイスが手を挙げた。


「我からいかせてもらおう。構わぬか?」


 スカイスが僕達に尋ねる。

 僕達は顔を見合わせた後、スカイスを先に行かせることにした。


「スカイスか。ならば、こちらはウォーン! ウォーンはいるか?」


 ランラが大声で叫ぶ。

 すると、やる気のなさそうな顔をした騎士が、ランラのもとへ歩いてくる。

 水色の長い槍と盾を持ち、白い鎧を身につけている。


「なんですか、団長? おいら、まだ訓練が……」

「貴様はいつもサボっているであろう。訓練なら、こやつと組み手をすればよい」


 ランラはスカイスを指差す。

 すると、ウォーンはスカイスの仮面を見て笑い出した。


「仮面してる!だっさい仮面!」


 ウォーンが笑っていると、スカイスはランラへ尋ねる。


「騎士団長さん。我はこいつを殺してしまっても構わんのだな?」

「イラつくのは構わないが、できるだけ殺さないでほしいかな。こんなやつでも、騎士団の中ではなかなか使えるやつなんだよ」


 ランラがそう言うと、スカイスは真顔のまま答える。


「いや。我は手加減するつもりだ。ただ、殺してしまったら……ごめんな」

「なめてるねぇ……」


 ウォーンは槍を構えながら、ニヤリと笑う。


「おいら、なめられるのめちゃくちゃ嫌いなんだよねぇ。団長。ぶっ殺してもいいよねぇ?」

「待て待て。やるなら、まず訓練場に入らぬか。話はそれからだ」


 ランラに言われ、二人はすぐに訓練場へ入る。

 ウォーンは槍を構えた。

 しかし――スカイスは構えない。

 ただ、その場に立っているだけだった。


「ただ立っているなんて……おいらを完全になめてるね」


 ウォーンは槍を構え直す。


「なら、一撃で終わらせてやるよ!」


 ウォーンが槍をスカイスへ向ける。

 すると、槍の先端へ水が集まり始めた。


「ウォーターランス!」


 水が槍を包み込み、巨大な水の槍となってスカイスへ向かって放たれる。


「ふん」


 スカイスが片腕を軽く振る。

 その瞬間――

 ウォーンの足元から、巨大な火柱が立ち上った。


「なっ――」


 次の瞬間、ウォーンの姿は、炎に飲み込まれた。

 一瞬にして炎が消える。

 そこに残っていたのは、黒く焦げた鎧だけだった。


「……は?」


 ランラが呆然と呟く。

 スカイスは何事もなかったかのようにランラへ振り返る。


「だから言っただろ?我は加減するつもりだ。ただ多分殺してしまうとな」

「君……今のは火属性魔法か?まさか、上級魔法……?」


 ランラが驚いた表情で尋ねる。

 するとスカイスは、真顔で答えた。


「違うよ。今のは初級魔法だ」

「初級……?」

「我がアレンジしたものだ」

 スカイスはそう言って、何事もなかったかのように立っていた。


 ランラは言葉を失う。

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