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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第一章 ツブキの新たな生活

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勇者パーティー

 ツブキをパーティーから追放した後、勇者であるディアモは、使える冒険者を一人探してパーティーに加入させることにした。

 ディアモは新しく加入した冒険者に依頼を受けさせると、アスタ、ライトとそれぞれで、別行動を取った。

 一方、僧侶のカイナは教会へ向かい、祈りを捧げていた。

 新しく勇者パーティーに加入した男は、冒険者ギルドで依頼を受けた後、ディアモを探して王都の娯楽エリアへ向かった。

 しばらく探していると、酒を飲みながら遊んでいるディアモを見つける。


「ディアモさん! 依頼を受けてきました!」


 男は依頼書をディアモに差し出した。

 ディアモは依頼書を受け取ると、内容を確認する。だがディアモは依頼書をみて男を睨む。


「おい、お前。こんな依頼を受けてきて、俺を馬鹿にしているのか?」

「え? いや、Aランクの依頼ですよ? ちゃんとAランク魔物の討伐依頼です」

「こんな魔物がAランクなわけないだろ。せいぜいBランクかCランクの魔物だ」

「で、ですが、ギルドではAランクと――」

「全く使えない奴だな」


 ディアモは男の言葉を遮る。


「前にいたツブキのほうがまだ優秀だったぞ。冒険者としてはゴミみたいな奴だったがな」


 そう言うと、ディアモは依頼書を地面へ投げ捨てた。


「こんな依頼を受けてくる奴なんて、俺たちのパーティーには必要ない」

「……」


 男は何も言い返さず、地面に落ちた依頼書を拾い上げる。そして、ディアモの顔を見る。


「……分かりました」


 そして、そのまま勇者パーティーを抜けていった。ディアモは、そんな男を気にする様子もなかった。


「次を探せばいいだけだ」


 そうしてディアモは、すぐに新たな冒険者をパーティーへ加入させた。

 今度の冒険者は、ディアモのお眼鏡にかなう依頼を受けることができた。

 その依頼は、王都から少し離れた場所にあるアスガイヤ森林に出現したAランク魔物――ギガマンティスの討伐だった。

 ギガマンティス。巨大な体を持つ虫型の魔物で、両腕にある大きな鎌のような手を使い、敵を切り裂いてくる。

 本来なら、いつものディアモたちなら倒せる相手だった。だが、ツブキを追放してから初めて受けた本格的な依頼は、最悪の結果に終わった。


「グオオオオオッ!」

「くそっ! こいつ、強すぎる!」


 ギガマンティスの巨大な鎌が振り下ろされる。ディアモたちは必死に攻撃するが、思うように戦えない。


「撤退するぞ!」


 ディアモの判断で、三人はアスガイヤ森林から逃げ出した。

 今回の依頼は――失敗だった。

 森から離れたところで、ディアモは新しく仲間にした冒険者へ怒鳴りつける。


「このクズ野郎!」

「えっ……?」

「お前がポーションを持ってこないし、マジックポーションも用意してないから俺たちが勝てなかったじゃないか!」

「でも、必要な道具は――」

「言い訳するな!」


 ディアモは新しく仲間にした冒険者を怒鳴りつけると、アスタとライトも、その冒険者を責め始めた。


「本当に使えない奴ね」

「お前みたいな奴が冒険者なんてやってるのがおかしいだろ」

「……」


 三人から浴びせられる言葉に、冒険者はうつむいた。


「……もう、あなたたちとはやっていけません」


 その冒険者も、ディアモ達からの罵声に嫌気がさし、勇者パーティーを抜けていった。

 だが、ディアモたちは気にしなかった。自分たちが悪いとは、少しも思っていなかったからだ。


「また探せばいいだけだ」


 ディアモはそう言った。だが、この出来事は、王都の冒険者たちの間ですぐに広まることになる。

 勇者パーティーに入った冒険者が、どんな扱いを受けたのか。

 それを知った冒険者たちは、次第に勇者パーティーへの加入を避けるようになった。

 そして、この日を境に、勇者パーティーに入ろうとする冒険者は、一人も現れなくなった。


     ◇


 僕、ツブキはクロウルフを倒した後、ミサキと一緒に冒険者ギルドへ戻った。

 受付で依頼達成の報告をすると、その日はそこで解散した。


「今日はありがとう、ツブキさん!」

「ううん。僕も助かったよ。また明日から頑張ろう」

「はい!」


 そして次の日から、僕はミサキと一緒にしばらく依頼をこなすことになった。

 最初に受けたクロウルフの討伐依頼以外は、ミサキのレベルに合わせて、比較的ランクの低い依頼を受けることにした。

 まあ、ミサキに合わせたと言っても、正直なところ、僕もこれくらいの依頼から始めたかったんだけどね。

 それから僕たちは、毎日のように依頼をこなしていった。

 薬草の採取。魔物の討伐。荷物の運搬などなど。

 簡単な依頼を一つずつこなしながら、僕たちは少しずつ冒険者としての経験を積んでいった。

 そんな生活を続けて、一ヶ月が経った頃、僕は再び、ギルドマスターのサランドさんから呼び出された。


「ツブキ。ギルドマスター室まで来てくれ」

「はい」


 僕は言われた通り、ギルドマスター室へ向かった。部屋の前まで来ると、扉をノックする。


 コンコン。


「ギルドマスター。僕です。ツブキです」

「ツブキか。入ってくれ」


 サランドさんの許可をもらい、僕はゆっくりと扉を開けた。


「失礼します」


 こうして僕は、再びギルドマスター室へ足を踏み入れた。

 ――サランドさんはいったい、僕に何の用があるんだろう?

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