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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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バルトス

「私の異能、斬撃を受けてみろ!」


 バルトスはグラウに向かって斬撃を飛ばす。

 するとグラウは、もはや避けようともせず、その斬撃を蹴りだけで無効化した。

 え?異能をあんな無効化の仕方ができるの?


「つまらんし、ほんとだるい。無駄なことするくらいなら寝ていてくれ。頼むからさ」


 グラウがバルトスに言うと、バルトスはさらに斬撃を飛ばしてくる。


「私をなめるなよ。私はサング組の武闘派なんだ。そこらへんの雑魚とは違うんだよ!」


 バルトスは再びグラウに向けて斬撃を放つ。

 しかし、グラウはその場から動かない。


「なっ!当たるよ!」


 僕は少し離れたところから見ていたが、動きを止めたグラウを見て、思わず二人に近づく。


「大丈夫。心配しなくていいよ、ツブキ。俺はこんなザコには負けないし、この斬撃は俺には当たらない」


 グラウがそう言うと、バルトスは驚いた表情を浮かべる。


「私の斬撃が当たらない?そんなはずはない。私の斬撃は――」

「そうだな。当たるとすれば、まさに不意打ちとかだな。でなければ、馬鹿正直にお前の斬撃をくらうバカはいないだろ。それに俺には絶対に当たらん。不意を突かれてもな」


 グラウがそう言った直後、バルトスはグラウからミサキへと狙いを変える。


「なら私も、馬鹿正直にやる必要はありませんね。やることを終わらせて帰らせていただき――」


 バルトスが異能を使う前に、僕は影でバルトスを拘束した。


「なっ!」

「グラウ!今のうちに!」

「いや、ツブキが手を出すなら、あとは頼むよ。俺、休むから」


 グラウはバルトスに背を向ける。

 すると、バルトスはグラウを睨みつけた。

 その瞬間、グラウの真横に斬撃が飛んだ。


「油断したね!これでお前は死――」


 バルトスが言い終わる前に、グラウはすでにバルトスの目の前に立っていた。


「え?」

「お前の行動、俺には読めている。というか、俺も異能使いでな。しょーもない異能さ。相手の行動を先読みできるだけのな。それだけに、弱いやつとの戦闘はつまらないから、だるいんだよ」


 先読みって、軽く未来が見えるって感じか?

 十分強い異能だと思うけど。


「先読みとか、そんなんじゃ、私は勝てないなぁ」

「そんなことはないさ。お前が強ければ俺には勝てるよ。ギルドマスターも俺には勝てるし。それじゃ、さっさと寝てろ」


 グラウはバルトスの腹部を蹴る。

 するとバルトスは腹を押さえながら、仰向けに倒れた。


「ふぁー。そんじゃツブキ、そいつ拘束しといてくれ。あと、さっきのあれは俺がやる気をなくすから、やめたほうがいいぞ。やる気のないやつが、さらにやる気をなくすのは終わってるけどな」


 グラウはそれだけ言うと、あくびをしながら持ち場へ戻っていった。

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