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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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狙われたミサキ

 僕はザドゥルに近づき、ミサキのことについて聞く。


「なんでミサキを狙ったの?」

「ふっ。紳士は仲間を売らない。ゆえに情報は吐かない」


 ザドゥルはそう言って、不敵な笑みを浮かべる。

 僕は自分の剣を抜き、ザドゥルの足を軽く刺した。


「ぐっ!」

「僕もあんまりこんなことはしたくない。でも、ミサキが狙われているなら守らないとダメなんだよ。昇格試験の試験官としてね」


 僕がそう言うと、ザドゥルは「ふっ」と笑った。


「ものは言いようというやつだな。お前は紳士的ではない。だから絶対に教えない。殺すなら、さっさと殺せ」


 ザドゥルはそう言い放つ。でも、このままじゃ埒が明かない。

 仕方がないので、僕はザドゥルを気絶させ、拘束することにした。

 そして一旦、持ち場へ戻る。

 僕はグラウがいる試験官の待機場所へ向かった。

 そこにはグラウとミサキがいた。二人の近くには黄色いスーツを着た男が立っていた。


「ミサキ!」

「ツブキさん!?このナンパ野郎、うざいんです!」


 ミサキは黄色いスーツを着た男を指差す。すると黄色いスーツの男は、呆れたような表情を浮かべた。


「ナンパなんてしていませんよ。私はあなたを攫いに来たんですよ、ミサキさん」

「なんで私の名前知ってるの!? きもい!」


 初対面でいきなり「キモい」はきついでしょ。

 ……いや、でもあの黄色いスーツの男、僕も初めて見るよね?


「私はバルトスといいます。あなたを攫い、有効活用させていただきたく」


 バルトスは頭を下げ、ミサキに言う。


「有効活用とか、私は物じゃないから!そんなこと言われたくないわ!」


 ミサキはバルトスに斬りかかった。

 しかし、バルトスはミサキの攻撃を軽々と避ける。

 そしてミサキの腹部へ蹴りを入れようとした、その瞬間――。

 グラウが二人の間に入り、バルトスの蹴りを片手で受け止めた。


「!?」

「めんどいから、やめてくれないか?俺、今日ここに来てるだけでもダリィのに、これ以上ダリィことしないでくれよ」


 グラウはあくびをしながら言う。

 すると、グラウの真横を、斬撃のようなものが突然飛んできた。


「お前もこれで終わ――」

「あらよっと」


 グラウは軽い調子で身体を動かし、飛んできた斬撃を避ける。


「なっ……!」

「俺がお前如きに負けると?」


 グラウはバルトスを見ながら、面倒くさそうに言う。


「俺は強すぎてな。格下とやんのはマジでだるいの」


 グラウは一度、ため息を吐く。


「俺の心を震わせてくれたのは、ギルドマスターのサランドだけだ。だから俺は、だるくてもあの人に従うの。……だるくてもな」


 そう言うと、グラウはバルトスの攻撃を避け、その背中に蹴りを叩き込んだ。


「ぐっ!」

「大人しく寝ていろ。でないと俺は、お前を捕らえるか、殺さないといけなくなる」

「この私を、この程度で殺せると?」


 バルトスは立ち上がり、不気味な笑みを浮かべる。


「そうですか、そうですか。私のことを舐めていますね」


 バルトスは指をパチン、パチンと何度も鳴らした。


 すると、空中に無数の斬撃が現れる。

 まるで嵐のように、斬撃が周囲を埋め尽くしていく。


「さあ、避けられますか?」


 バルトスが笑った。

 次の瞬間、無数の斬撃が、一斉にグラウへ襲いかかった。

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