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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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ブンドル 3

 ブンドルという男は、僕――チェイサーがサング組に入ってから一年後に入ってきた男だった。

 ブンドルはサング組に入った頃、まっとうなことをして評価されようとしていた。

 だが、ブンドルは平凡な男だった。

 異能は使える。だが、武闘派の極道として特別強いわけでもない。頭が良いわけでもない。

 よく言えば悪知恵が働く。その程度の男だった。

 だからこそ、バララという組の中堅の男が頭角を現してから、ブンドルは変わった。

 仁義外れなことを、さも当たり前のようにするようになった。

 最初の頃は僕もカエンドの兄貴も、ブンドルを止めようとしていた。

 だが、ブンドルは僕達にこう言った。


「お前らみたいな才能のある奴に我の気持ちなどわからん。我は凡庸なりに上手くやるのみ。たとえ組のやつを殺すことになろうともな」


 この言葉を聞いたとき、特に仲間である僕達を殺すという点においては、ブンドルもそこまで落ちてはいないと思っていた。

 だが――まさか、やつが……。

 やつがカエンドの兄貴を遠回しに殺すとは思わなかった。


「お前は間抜けなことしかしないよな。入りたての頃はまだよかったというのに」


 僕は地面に拘束されているブンドルを見ながら、そう思った。

 バルトスが逃げた後、セツはゆっくりとブンドルに近づく。


「こいつはサランドさんのところまで持っていくわ。このまま殺せないのはムカつくけど」

「好きにしてくれて構わない。うちに仁義外れのクソ野郎はいらない。更生もしないだろうからな」


 チェイサーがそう言うと、セツは異能を使って縄を作った。

 そして、その縄をブンドルの体に巻きつけると、引きずって連れて行こうとする。

 すると、チェイサーが口を開いた。


「今回の件はお前らに迷惑をかけた。だから一つ教えておこう」


 チェイサーはセツを見る。


「サランドの姪っ子は狙われているぞ。ただ、誰がサランドの姪っ子なのかは、僕達の組員にはわかってない。だけど、単独で知っているやつもいると思う。気をつけておいてくれ」


 チェイサーはそれだけ言うと、セツの前から去っていった。

 セツはブンドルを引きずりながら運び、タケイサ組の事務所まで連れて行った。


「冒険者ギルドだと目立つし、ここが一番よね」


 セツは組の事務所がある場所で、ブンドルを下ろした。


「お前はしばらくここにいろ。変なことはされないようにな」


 セツは異能で銃を作り、ブンドルの両腕と両足を撃ち抜く。


「ん!んー!」

「これで両腕両足に力は入らないだろ。そこで寝てろ」


 セツはブンドルにそう言うと、彼をある場所に閉じ込め、その場を後にした。


「これで終わるよ、姉さん。姉さんは私に復讐なんて望まないかもしれないけど……これは私にとって大事なことなんだ。ごめんね」


 セツはそう独り言を呟いた後、冒険者ギルドへ向かった。

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