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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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チェイサーとブンドル

「これでお前が我に勝てる要素はなくなった。お前が魔法を使えないことは、よくわかっている」


 ブンドルがチェイサーに言うと、チェイサーは斬られた槍を捨てる。


「槍がなくても戦えるさ。魔法が使えないわけじゃない。ただな――」


 チェイサーは霧を発生させる。

 次の瞬間、チェイサーは霧に紛れてブンドルの背後現れ、その腹部を殴りつけた。


「がはっ!」

「僕が使えないのは、火属性とか、そういう魔法だよ。身体能力を強化する魔法なら使える。まあ、あんまり長時間は持たないけどね」


 チェイサーがそう言うと、ブンドルは腹部を押さえながらチェイサーを睨みつける。


「チェイサー……お前は本当に……ほんとーに目障りなやつだな。お前だけは、兄貴分として認めたくないくらいに目障りだ」

「実際、お前からすれば兄貴分だろ。一年も違うんだから」

「あ?我からすれば、てめぇなんてあんまり変わらねぇんだよ!」


 ブンドルはチェイサーに向かって剣を振るう。

 だが、その剣は空を切った。

 チェイサーはブンドルが剣を振り切った直後の隙を狙い、再びその身体を殴りつける。


「ぐっ!」

「どうした?僕の異能『霧』はよくわかっているんだろ?対応も簡単なんだろ?」

「この……野郎が!」


 ブンドルは再びチェイサーに剣を振るう。

 しかし、またしてもチェイサーには当たらない。


「ならば、我の異能で――」

「やらせないよ」


 チェイサーは瞬時にブンドルの真横へ移動すると、腹部に強烈な蹴りを叩き込んだ。


「あ、がっ!」

「お前の異能は脳筋だけど厄介だ。だから、使わせはしないよ」

「チェイサー……チェイサーァァァァ!」


 ブンドルは怒りに任せて何度もチェイサーに攻撃を仕掛ける。

 だが、その攻撃はことごとくかわされる。


「ぐあっ!」


 チェイサーの蹴りがブンドルを捉え、その身体を地面へと叩きつけた。


「僕はここまでにしといてやるよ。お前はちゃんと、けじめをつけないとだめだからね」

「けじめを、だと?この我がか?我がけじめをつける相手などおらぬ!いい加減なことを――」


 ブンドルが言い終えるよりも早く――

 何かがブンドルの左肩を貫いた。


「がっ!」

「チェイサー。そいつをそこで眠らせといて。私はさっさとこいつをやるから」


 セツはバルトスに銃を向けながら、チェイサーに言う。


「わかった」


 チェイサーはブンドルを地面に押さえつけ、その両手両足を拘束する。


「じゃあ、こっちも早く済ませましょう」


 セツがバルトスに言うと、バルトスは少し考えた後――


「ブンドルの兄貴がやられたなら、帰ろうか。私は自殺願望はないからな」

「逃すとでも?」


 セツが銃の引き金を引こうとした、その瞬間。

 セツの隣を、斬撃のようなものが通り過ぎる。


「!」


 セツはとっさに銃を向け、その斬撃を撃ち抜いた。

 斬撃は霧散し、消えていく。


「それじゃ、私は失礼するよ。ブンドルの兄貴は好きにするといい」


 バルトスはそう言い残す。

 そして――いつの間にか、その場から姿を消していた。

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