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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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ブンドル

 僕はギルドで数時間休んでいた。

 おそらくギルドマスター室でサランドさんと話をしていたアスベルが、用事を終えたのか、二階から降りてきて僕のところへ近づいてくる。


「ツブキ。もう動けるか?」

「なんとか、ね。戦えとか言われたら無理だけど」


 影纏いの反動は大きい。

 今の僕は、影纏いを使えば一日はまともに戦えない。それでも、数時間休めば歩けるくらいには回復する。

 僕は再びナグモたちと別れ、アスベルと一緒にギルドマスター室へ向かった。

 部屋に着くと、アスベルがドアを開ける。すると、天井からギザルドが吊るされていた。


「アスベル。ご苦労だったな」

「いえ。それで、ツブキを連れてきましたが、彼に何か用でも?」


 アスベルがそう言うと、サランドさんは僕の方を見た。


「ツブキ。こいつを連れてきてくれて非常に助かった。サング組で殺すべき対象がよくわかった」


 サランドさんは、淡々とした口調で続ける。


「まずは、南ステイティアにいるサング組の男、ブンドルをやる。ブンドルをやった後は、ブンドルの所属する派閥……もとい、現サング組組長バララを殺す」


 それは大変だな。だが、冒険者の僕にそこまで話してもいいのだろうか?


「この話をしたのは、お前にも手伝ってもらうかもしれないからだ。ちなみに、ナグモとセツにはブンドルを殺す仕事を任せる」


 サランドさんは、セツの方を思い浮かべるように言った。


「セツに仇討ちをさせてやらないとな。それに、ナグモにも組としての仕事をさせねばならん。護衛以外にもな」


 サランドさんは僕にそう告げる。すると、僕はサランドさんに尋ねた。


「なら、僕はミサキの護衛をすればいいんだね?」

「そうだ。ブンドル襲撃時にEランク昇格試験を行う。その間、ミサキのことを頼む」

「了解。それじゃ、僕はこれで」


 僕がギルドマスター室から出ようとすると、サランドさんが声をかけてきた。


「待て待て。いつやるかくらい聞いていけ。ブンドル襲撃は三日後だ。Eランク昇格試験もな」

「三日後……」

「昇格試験の方は、Fランク冒険者たちにはすでに伝えてある。それと、部屋を出たらナグモとセツを呼んでくれ」

「了解。それじゃ」


 僕はギルドマスター室を出た。

 そして、ナグモとセツにギルドマスター室へ行くよう伝えると、二人はすぐに部屋へ向かった。

 その後、僕とミサキはギルドの一階に残った。


「今度はナグモたちが呼ばれたんですか?何かあったんですか?」

「いや、何もないよ。それより、昇格試験のことを聞いたよ」

「あ、そうなんですか? 実は三日後なんですよ。昨日、急に言われたので驚きました」


 ミサキはそう言った。僕は彼女の装備を見て、少し心配になった。

 この装備で行くのか?

 ミサキの装備は、細身の長剣と皮の小手。そして、体には鉄製の鎧のような防具を着けていた。


「えっ、これじゃダメなんですか?」

「僕からダメとは言えないけど……もう少し重装備の方がいいんじゃないかな」

「いやいや。この方が動きやすいので、これでいいです」


 ミサキはそう言って、自分の装備を軽く叩いた。

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