報告
「逃がしてくれないの? こんな子供の僕を」
「あんな酷い殺し方をしておいて、自分を子供扱いしろとか、なかなかなことを言うな」
ギザルドは僕から逃げようとする。けど、僕は逃がさない。
「このっ!」
ギザルドは再び僕にファイアボールを放ってきた。
だけど、影纏いをしている僕には効かない。
あまり子供をいじめたくはない。けど、こいつは大事な情報源だ。だから僕は、影の剣をギザルドの両手両足に突き刺した。
「いったぁ!」
「これで抵抗できないでしょ。それじゃあ、行こうか。タケイサ組の組長のところに」
僕はギザルドを引きずり、冒険者ギルドへ向かうことにした。ディアモさんの死体を、その場に残して。
ディアモさん。こんなことをしなければ、まだ生きていられたかもしれないのに。
何でこんなことをしたんだよ。ほんとに。
僕はギザルドを引きずりながら、なんとか冒険者ギルドにたどり着いた。
だけど、その直後。影纏いの反動がやってきた。体が思うように動かない。
「は、はは……。引きずられて体は痛いけど、お前も動けないなら、ここで魔法を食らわせれば僕の勝ちだ」
「ここは……王都だぞ? こんなところで魔法を使えば……」
「そんなもん、僕の知ったことじゃないね。死ね!」
ギザルドが魔法を放とうとした、そのときだった。ギザルドの手を、誰かが踏み潰した。
僕の知っている男。タケイサ組のアスベルだった。
「グッドタイミングだよ、アスベル」
「なんか、こいつが危ないことをしそうだったから、思わず腕を踏み潰したけど……大丈夫か?」
アスベルが僕に尋ねてくる。僕はなんとか片腕を動かし、親指を立てた。
はは……。片腕を動かすのもやっとだよ。
「こいつは……サング組の……やつだ。だから……サランドさんのところに……」
「了解だ。俺はこいつを連れていく。ザドン、ツブキを頼む」
アスベルは、腕を踏まれて気絶したギザルドを背負った。
そして、アスベルについてきていたザドンが、僕を背負う。
二人はそのまま、冒険者ギルドの中へ入っていった。
ギルドの中に入ると、ナグモやミサキたちが僕のところへ近づいてきた。
「ツブキ。大丈夫か?」
「大丈夫と言いたいところだけど……体が動かないや」
「あの襲ってきたやつは、そんなに強かったのか?」
ナグモに尋ねられ、僕は「まぁね」と答えた。
ディアモさんは、本当に強かった。
ただ、考えなしに行動することが多く、それは欠点でもあった。でも、それが美点でもあったんだと思う。
「本当に強かったよ。本当に」
ディアモさんは死んだ。
パーティーから追放されたとき、僕はかなり怒った。けど、パーティーに入ったばかりの頃は、まだ仲がよかった。
その頃のことを思い出すと、胸が苦しくなる。
ほんとに……死ぬには早すぎるよ。




