乱入
「何だよ、まだ終わってないのかよー。ディアモさんよー」
僕とディアモさんの前に現れたのは、背の低い子供だった。
特徴的なのは、髪の色だ。半分が青、もう半分が赤。手には、子供が持つにはあまりにも大きなハンマーが握られている。
「ギザルド。なぜ、ここに……」
「何でって、見てたからだよ? ここに来るまでね。それで、二人が戦っている間は暇だったから寝てたんだけど、まだ終わってないなんてさ」
ギザルドはそう言うと、ハンマーを手にしたまま僕の方へ……ではなく、ディアモさんへと近づいていった。
そして、何のためらいもなく、ハンマーをディアモさんの腹部へと叩き込んだ。
「がっ……!」
鈍い音が響く。ディアモさんの体が大きく揺れた。
「僕はね、サング組のギザルド、と言いたいところだけど……まだお使いって感じかな。だから、まだサング組の人間じゃないよ」
ギザルドはそう名乗りながら、ディアモさんの腹部に食い込んだハンマーを引き抜いた。
そして今度は、ディアモさんの顔面に向かって振り下ろす。
鈍い音が響き、ディアモさんの体が地面に崩れ落ちた。
……動かない。
ディアモさんは、死んだ。
「なかなか酷いことをするもんだね。まさか、殺すなんて」
「そりゃ、ゴミの始末はちゃんとしないと」
ゴミ?この子、今ディアモさんのことをゴミって言ったのか?
「ゴミって言い方は、あまり許せないかな。僕は追放された身だけどさ。世話になった……いや、世話をしてやっていたのか?まあ、どっちでもいいけど」
僕は倒れたディアモさんを見つめる。
「こんな酷い殺し方をしなくてもいいと思うんだ」
「殺し方に酷いもクソもないよ。僕的にはね。そんな甘っちょろいことを言う奴の方が嫌いだよ」
ギザルドは、僕に向かってハンマーを突きつけた。
次の瞬間、ハンマーが振り下ろされる。僕は横へ飛び退き、攻撃をかわした。
「僕の攻撃を簡単に避けるなんて。ま、それくらいじゃないとね。ブンドル兄が強いって言ってたから、これくらいは避けて当たり前だよね!」
ギザルドは再びハンマーを振り回してくる。僕はその攻撃をかわし、影の剣を振り抜いた。
刃がハンマーを捉える。ハンマーが真っ二つに斬れた。
「ありゃ」
「これでお前は武器なしだ。ここからどうする? 降参するか?」
僕がそう言うと、ギザルドはにやけながら口を開いた。
「生憎、僕は天才だからさ。物理的な武器がなくなっても、僕は魔法を使えるんだ!」
ギザルドは僕に向けて手をかざす。次の瞬間、赤い火球が生まれた。
「ファイアボール!」
火球が、僕に向かって放たれる。
「魔法が使えたところで、僕は異能使いだ。それに、その程度の攻撃なら……」
「異能使いだから何? 僕が勝てない理由にはならないよね!」
ギザルドは次々とファイアボールを放ってくる。
僕は影の剣で火球を斬り裂き、あるいは身をかわして攻撃を避けた。
何発撃たれようと、僕に当たることはない。
「ハンマーがなくなっただけで、こんなにも違うなんて。魔法で対処できると思ったけど、難しいな」
ギザルドは、少し困ったように頭をかいた。
「僕のやることはやったし、逃げさせてもらおうかな」
そう言うと、ギザルドは僕に背を向けて逃げようとした。僕はすぐにギザルドの前へ回り込み、その行く手を塞いだ。




