↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
42/275

勇者

 僕はアスベルたちと別れた後、冒険者ギルドへ向かった。

 ギルドに到着すると、中にいたナグモたちと合流し、依頼の掲示板を眺めていた。

 すると、僕のもとへ見知った顔が近づいてくる。


「ツブキ。何でお前がここにいる?」

「ディアモ……」


 久しぶりに会った、かつての仲間。

 ディアモ・アルマ。

 いつもは直接ギルドに来ることなんてないのに、今日は珍しい。いったい何の用だろう?


「お前、なんか俺たちにしてるだろ」

「え? いや、パーティーを抜けてからは何もしてないけど……」

「嘘をつけ! お前がパーティーを抜けてから、何もかもうまくいかなくなった。お前が何かしてなければ、こんなことになるはずがない!」

「いや、それはさすがに……」

「だから――」


 ディアモは突然、腰の剣を抜いた。

 そして、僕に向かって斬りかかってくる。


「えっ!?」


 ここ、冒険者ギルドの中だぞ!こんな場所で剣を抜くなんて、正気か!?

 僕はすぐさま異能を発動させた。

 床に伸びた僕の影が大きく揺らめき、そこから伸びた黒い影がディアモの体に絡みつく。


「なっ!?なんだ、この影は!?」


 影に拘束されたディアモは、身動きが取れなくなった。


「ナグモ!」


 僕はナグモに向かって声をかける。

 ミサキを任せたことを、ここで説明するわけにはいかない。でもナグモなら僕の意図を理解してくれるはずだ。

 ナグモは僕の顔を見ると、静かに首を縦に振った。

 よし。これで大丈夫そうだ。じゃあ、こいつは僕が連れていこう。


「ディアモさん。ちょっと外でお話ししようか!」

「てめぇ! やっぱり何か隠してやがったんだな! このクソがぁ!」


 勇者なんだから、もう少し言葉遣いを考えたほうがいいと思うんだけど……。まあ、今さらか。

 僕はディアモを連れて、王都の外へと移動した。

 そして、周囲に人がいないことを確認すると、拘束を解いてからディアモをある程度の距離まで投げ飛ばした。


「ぐあっ!」

「お前も異能を使えたとはな! だったら、なんでパーティーにいたときに使わなかったんだ!」


 地面に転がったディアモが、すぐさま立ち上がって怒鳴ってくる。


「いや、だってディアモさんが、荷物持ちと道具の補給以外は何もするなって言ったんじゃないか」

「うるせぇ! お前が先に異能を使えるって言わなかったからだろうが!」


 いやいや、パーティーに誘われたとき、ちゃんと話そうとはしたよ?

 でも、ディアモさんは――。


『お前は荷物持ちっぽい空気だから、荷物持ち以外のことはするなよ』


 なんて意味の分からないことを言ってきたじゃないか。

 あのときの僕に、どうしろっていうんだよ……。

 僕は剣を抜き、ディアモに向かって構えた。

 すると、ディアモも剣を握り直す。


「俺に剣を向けるとはな。大人しく殺されていればいいものを!」

「何で急に僕を狙うんだよ。僕を追放したのは、ディアモさんたちじゃないか」

「お前が死ぬと、俺に金をくれる奴がいるのさ」

「……え?」


 思わず、耳を疑った。僕が死ぬと、金をもらえる?


「俺はその金で、また娯楽エリアで遊ぶんだよ。俺は勇者だからな!」


 ディアモはそう言って、口元を歪めた。

 もはや、ただのクズじゃないか。こんな奴が勇者だなんて、とても信じられない。

 僕がパーティーにいた頃は、ここまでひどい性格じゃなかった気がするんだけど……。

 いや、昔からこんな感じだったか?少なくとも、今よりは少しマシだった気がする。


「僕を殺して得をする人って、いったい誰なんだ? 僕はただ、勇者パーティーで荷物持ちをしていただけの男だよ」

「そうさ。お前は俺の勇者パーティーで、それだけの男だった」


 ディアモは剣を構え直し、僕を睨みつける。


「だがな、俺に金をくれるって奴からすれば、そうじゃないらしいのさ!」

「……どういう意味だ?」

「さあな。依頼人のことは教えねぇよ。それが、その人との約束だからな!」


 ディアモは再び、僕に向かって斬りかかってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。