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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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タケイサ組のアスベル

「お前の攻撃など避ける必要はないが、まあ避けてやる」

「避ける必要がない? アスベル、お前、俺をなめてるんか?」


 ヤシオはアスベルを睨みつける。

 するとアスベルは、ヤシオを見下すように言った。


「当たり前だろ? 正々堂々とはやる。だが、俺は弱者に一方的に攻撃するのは好きじゃない。だから、お前が満足するまで俺に攻撃するがいい」


 アスベルがそう言うと、ヤシオの顔が怒りで引きつった。


「そうかよ。なら、死んでも後悔するなよ!」


 ヤシオは大剣を振り下ろす。

 だが、アスベルはその攻撃をギリギリまで引きつけ、紙一重で避けた。


「はぁぁぁぁ!」


 ヤシオは何度も大剣を振るうが、アスベルはそのすべてを簡単に避けていく。

 何度攻撃しても当たらない。

 やがてヤシオの息が上がり、動きも鈍くなっていく。

 そして、大きく振りかぶった瞬間ーー。

 アスベルはヤシオの大剣を持つ手首を殴りつけた。


「うっ、ぐぅぅ!」


 手から力が抜け、ヤシオの大剣が地面に落ちる。


「弱い。本当に弱い。こんなやつが、うちのアマイちゃんを……」


 アスベルはそう呟くと、ヤシオを仰向けに倒した。

 そして、その顔面を何度も殴りつける。


「ぐっ!」

「弱い者いじめは嫌いだ。だが、お前はアマイちゃんを殺した」


 アスベルは怒りを抑えきれないまま、拳を振るい続ける。


「アマイちゃんは情報屋だ。身を守る術は教えていた。だが、お前ら二人がかりで襲ったんじゃ、アマイちゃんでもやられてしまうだろうからな」


 ヤシオは顔面を殴られながら、必死に言葉を絞り出す。


「お、れだっ、て……あんな、こと……したく……」

「あぁ? なら、なんでやったんだ!」


 アスベルは怒鳴りながら、さらに拳を振るう。

 そしてヤシオの顔が腫れ上がったところで、ようやく殴るのをやめた。


「す、まな……かった。おれ、は……」

「謝るくらいなら、なんでやった。命令だったとしても、お前には意思というもんがあるんだ」

「わか、ってて……それを、いう、のか……。けど……最後に、おれ、じしんの……身の程を……しれて……よか、った……」


 ヤシオはそれだけ言うと、力なく目を閉じた。

 アスベルは地面に落ちていた大剣を拾い上げる。

 そして、その大剣をヤシオの胸へと突き刺した。


「これでまずは一人。次はブンドルってやつだな」


 アスベルがそう言ったところで、ここまで僕たちを案内してくれたザドンが口を開いた。


「おい。俺たちを助けるのはどうした?」

「俺、たち?」


 アスベルが助けるのは、ザドンだけじゃないのか?

 僕が疑問に思っていると、ザドンはアスベルに向かって話を続けた。


「こいつは俺に仕事もくれたし、金もくれた。俺には妹がいる。俺は妹を食わせていかなきゃならない。だから、俺に仕事をあっせんしてほしい。それと、妹の面倒も見てほしい。ただ……俺はヤクザにはなりたくない」


 ザドンは真剣な表情でアスベルに頼む。

 アスベルは少し考えた後、


「いいだろう。ならザドン、お前は俺の下につけ。カタギのままでいられるように、できる範囲で仕事を回してやる」


 アスベルはそう言ってから、続ける。


「それと、お前の妹に関してだが……まずは案内してくれ」

「……ああ、分かった」


 ザドンは頷き、僕たちは再びザドンを先頭にして歩き始めた。

 向かう先は、南ステイティア。

 僕たちはザドンの妹がいる場所へ向かうのだった。

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