タケイサ組の秘密
僕がそう言うと、アスベルは僕に向かって口を開く。
「頼むと言われても、マスターのことはうちの……」
「安心しろ。ツブキは大丈夫だから。おっと、ツブキ。すまない。まずはこいつの紹介をするよ」
サランドは僕に言った後、ギルドマスターの座っていた椅子から立ち上がり、アスベルに近づいて肩を叩く。
「こいつはアスベル・キンタ。うちの組の中堅だ。こいつはナグモの兄貴分でもある」
「ナグモの知り合いか。ナグモが世話になってるな」
アスベルは僕に頭を下げる。僕もアスベルに頭を下げた。
「いやいや。ナグモは世話になっているというより、頼りになる男ですよ」
「そうかそうか。それならよかった。ナグモの知り合いならわかった。マスターのところに案内するよ、組長」
「ああ。それじゃ、ツブキの案内を頼むぞ、アスベル」
サランドはアスベルにそう言った。
その後、僕とアスベルはギルドマスター室を出て、冒険者ギルドの中を歩いていた。
すると、ギルドにいたナグモがこちらに近づいてくる。
「アスベルの兄貴。お疲れ様です」
「おう、ナグモ。元気にやってるか?」
「もちろんです。アスベルの兄貴も元気で何よりです」
「はっはっは。お前に心配されるほど、俺は落ちぶれてないよ。これからマスターのところに、こいつと行くんだ」
アスベルは僕の背中を叩く。すると、ナグモが僕の肩を掴んだ。
なんで急に肩を掴んでくるんだ?
「ツブキ。アスベルの兄貴はすごくいい兄貴だからな。迷惑をかけないようにしてくれ」
「あ、あぁ。わかったよ。ナグモこそ、ミサキのことを頼んだよ」
僕がナグモにそう言うと、ナグモはすぐにギルドにある依頼の貼られた掲示板へ向かっていった。
どうやらミサキとセツの二人と合流するようだ。
「ナグモは最近忙しいらしいからな。俺もあいつの兄貴として頑張らねぇと」
「ナグモとは、あまり喋ってないんですか?」
「最近は喋れてねぇな。組長から、ナグモは特別な依頼をこなしてるから、あまり接触しないように言われてる。それにタケイサ組は今、全体的に忙しいのさ」
僕とアスベルは話しながらギルドを出た。
「なんでタケイサ組は忙しいんですか?」
僕がアスベルに聞くと、アスベルは頭をかきながら答える。
「組長の信頼しているお前だから言うが、うちは今、アマイちゃんの仇を討つために実行犯を探してる。おそらくサング組だろうが、奴らはうまいこと隠れてやがる。だから、マスターのところに向かうのさ」
サング組がおそらくだけど実行犯。
あのアキザを見ていたら、サング組がやばい奴らなのはわかる。
でも、それでなんでマスターとか呼ばれている人のところに行くんだ?
「なんで、そのマスターって呼ばれてる人のところに向かうの?」




