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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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特例ランク

 僕がギルドマスター室に入ると、サランドさんは大きなため息をついた。


「ツブキ。お前でも、私が頼んだ用事がなければ気軽に来ていい場所じゃないぞ」

「すいません。ただ、僕は自分の冒険者ランクについて聞きたくて」


 僕がそう言うと、サランドさんは一枚の紙を僕に手渡してくる。


「お前のランクは、この紙に書いてある通りだ。新米の方になるがな」


 新米ってことは、またFランクからってことかな?

 僕はそう思いながら紙を見る。

 すると、そこに書かれていた内容に驚いた。


「特例ランク?」


 特例ランクって何だ?聞いたことないんだけど!?


「特例ランクは、ギルドマスターが認めた冒険者のみに与えられるものだ。扱いとしてはSランクと同等。ただし、ギルドマスターが頼る特別な依頼には、必ず応じなければならなくなる」

「えぇ……。そんなこと聞いてないんだけど」


 僕が困った顔をすると、サランドさんは苦笑する。


「勝手に決めて悪いな。だが、お前ほどの男をSランクという枠に収めておくわけにはいかないんだ」

「まぁ、いいですよ。それより、Eランク昇格の試験はミサキ一人で挑むんですか?」


 僕が尋ねると、サランドさんは真剣な顔になる。


「そうだな。そして、昇格試験には部外者は参加できない。だからナグモとセツは、ミサキのことを見ることができない」

「そうなんですか」

「だが、特例ランクは別だ。試験官の付き添いがあれば、昇格試験を受ける者を見学することができる。だから、その時はミサキを頼むぞ」

「わかりました。それじゃあ、近くなったらまた教えてください」


 僕はサランドさんに頭を下げ、ギルドマスター室から出ようとする。

 すると、ドアの前にサングラスをかけ、背中には長い大剣、腰には二本の剣を装備した黒いスーツ姿の男が立っていた。


「組長」

「ここでは組長と呼ぶな、アスベル。何しに来た?」


 サングラスをかけた黒いスーツの男――アスベルに、サランドさんが声をかける。


「あんまり組長が事務所に来られないんで、俺から来ました。それと、マスターのところには誰が?」


 アスベルがそこまで言うと、サランドさんが僕を見る。

 ん? なんだろう。マスターって、何の話だ?


「そうだな。このツブキを連れていくといい」


 サランドさんがそう言うと、アスベルはギルドマスターの机を叩いた。


「冗談言わないでくださいよ、組長。こいつはカタギでしょう」

「確かに組の者ではない。だが、関わりがないとも言えない。アマイに近いものさ。アマイも一応、組に入っている形で受付嬢をしていただろ?」

「アマイちゃんは話が違います。こいつは完全なカタギでしょう」


 アスベルはそう言うと、サランドさんを真剣な目で見つめる。


「私を信じて、こいつとマスターのところに行ってくれ。頼む」

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