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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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カエンドとチェイサー

 二人が出て行った後、カエンドは大きなため息をついた。


「カエンドの兄貴……すいません」

「チェイサー。お前が謝ることじゃねぇ。アキザのことは……残念だったな」


 カエンドにそう言われ、チェイサーは拳をグッと握りしめる。


「僕達は極道です。それに、アキザも覚悟を決めていた。だったら、それを受け入れてやるのも同期の役割です。それよりも……」

「ああ。あの二人だな」


 カエンドはチェイサーの言葉の続きを察する。


「お前のことを兄貴分として認めてないらしいな。口だけでも『兄貴』って言えばいいのに、それすら言わねぇ。今の親父になってから、色々と大変よな」


 カエンドは頭をかきながら呟いた。

 サング組の組長が変わったのは、つい最近のことだ。新たに組長となったバララは、突然タケイサ組への攻撃を決めた。

 そして、その命令によってチェイサーやカエンドはここへ派遣されたのだ。

 だが、今のサング組は一枚岩ではない。現在、組は二つの派閥に分かれている。


 一つは、今の組長であるバララを慕う者たち――バララ派。

 そしてもう一つは、前組長の考えを尊重する保守派ーーミントを中心としたミント派だ。


「ミントの兄貴は今、バララの親父に監視されていて、上手く動けない。俺たちは、バララの親父の言いなりってわけだ」


 カエンドは苦々しい表情を浮かべる。


「俺は組の奴らを、はなっから見捨てる気なんてねぇ。だが、バララの親父は臆病者だからな。俺たちが裏切る可能性があると思ってるんだろう」

「そうですね、カエンドの兄貴。カシラもバララ派ですから……僕らは本当に身動きが取れない」


 チェイサーがそう言うと、カエンドはチェイサーの肩に手を置いた。


「俺たちは俺たちで、やれることをしよう。できるだけブンドルとヤシオは見張っておくんだ。俺はヤシオを見張る。チェイサー、お前はブンドルを頼む」

「了解です。それじゃ、また調査に入りますか」

「ああ。頼んだぞ」


 チェイサーは頷くと、カエンドと共にサング組の隠れ家を後にした。




 僕、ツブキはセツの実力を見た後、冒険者ギルドでナグモたちと合流した。

 それからしばらくの間、僕たちは四人パーティーで依頼をこなしていた。


「もう少しでEランクに昇格できそう!」


 ある日の依頼終わり、ミサキが嬉しそうに僕たち三人へ告げる。


「お嬢。おめでとうございます」


 ナグモが笑顔で祝福する。


「まだよ、ナグモ。それに……ツブキさんは冒険者ランク、Sですよね?」

「いや、どうだろう?」


 僕は首を傾げる。


「勇者パーティーにいた頃はSランク扱いだったけど……今の僕って、どのくらいなんだろう?」


 勇者パーティーを追放された今、僕の冒険者ランクがどうなっているのかは分からない。


「今度、サランドさんに聞いてみようかな」


 そう思いながら、僕たちはその日も依頼を終えた。

 そして翌日、僕は冒険者ギルドへ向かい、そのままギルドマスター室へ向かった。

 扉の前まで来ると、僕は軽くノックする。


「サランドさん。僕です。ツブキです」

「分かった。入れ」


 サランドさんの返事を聞き、僕は扉を開けてギルドマスター室へ入った。

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