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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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セツ

「セツは強いよ。なんなら戦ってみるといい。教会とは反対側の方に、冒険者がよく使う訓練場みたいな場所があったろ? そこで戦ってみるといい」


 ナグモは僕にそう言った後、セツに話しかける。するとセツは僕の方へ近づいてきた。


「ナグモから話は聞いたわ。確かに私の実力を知ってもらわないと困るし、訓練場に行きましょう」


 セツにそう言われ、僕はミサキをナグモに任せ、二人で訓練場へ向かう。

 冒険者ギルドから少し離れた場所にある訓練場。

 ここでは、以前ライトがよく弱いものいじめをしていたらしい。

 ライトが行方不明になってからは冒険者の出入りも少なくなったと聞いていたけど、今日はたくさんの冒険者がいる。


「多分、空いてる場所があると思うから、ちょっと待ってて」


 セツはそう言うと、訓練場の空いている場所を探しに行った。僕はその場でしばらく待っていると、セツが戻ってくる。


「待たせたわね。それじゃ、行きましょ」


 セツについていき、訓練場の空いている場所へ案内される。

 僕たちはそこへ入り、ある程度の距離を取ると、僕は剣を抜いた。

 しかし、セツは武器を装備していない。まさか、拳で戦うタイプの人なのか?


「殴り合いなら、僕も剣は抜かないけど」

「ん? いや、私も武器はあるよ。ちょっと待ってね」


 セツがそう言った瞬間、手のひらが突然光り始め、次の瞬間、セツの片腕には、一丁の銃が握られていた。


「それは……まさか異能?」

「そうよ。あまり使うなって言われてたから、人前では使うなって言われてたけど……ここなら問題ないでしょ。私の異能は、理解できない人には理解できないでしょうし。最悪、『装備してました』で通すから」


 それで通るならいいけど……。


「私は近接戦はあんまり得意じゃないから、ごめんね」


 セツは銃口を僕へ向けると、引き金を引いた。

 パンッ!


「!」


 僕は銃弾を避ける。地面に落ちた銃弾を見ると、僕は少しだけ目を細めた。


「これは実弾じゃないね」

「当たり前よ。うっかり当てて、深傷を負わせても困るもの」


 セツは再び銃を構えると、今度は一発ではなく、何発もの銃弾が僕へ向かって飛んでくる。

 僕はそれらをすべて避け、自分の影を操り、影移動を使う。

 次の瞬間、僕の姿はセツの背後へと移動していた。


「!?」

「背後を取らせてもらったよ」


 僕が声をかけると、セツはすぐさま振り返り、こちらへ銃口を向けた。


 パンッ! パンッ! パンッ!


「速い!」


 僕は飛んでくる銃弾を避けると、今度は、影移動でセツの正面へと移動した。


「なっ!?」


 僕の異能――影。

 その力には、自分の影を操り、離れた場所へ一瞬で移動する能力もある。

 敵の背後へ回り込んだり、攻撃を避けたりするのにも使える便利な能力だ。

 ただし、この影移動はかなり疲れる。

 今の僕では、そう何度も連続して使うことはできない。だからこそ、今のうちにもっと使いこなせるようにしておかないと。


「これで終わりだよ」


 僕はセツとの距離を一気に詰める。


「まだまだ!」


 しかし、セツはまだ諦めていなかった。

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