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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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教会のこと

 僕はサランドさんに報告を終えると、ここへ来た本題に入る。


「サランドさん。教会についてですけど、前に勇者パーティーにいたカイナと話してきました。でも、多分大丈夫だと思います」

「大丈夫?それはないと思うが……簡単にはボロを出さないということだな」


 確かに、カイナは教会について何か知っているようだったけど、ボロは出していなかった。


 教会は怪しい。だけど、しつこく探れば敵に回すことになる。

 教会を敵に回すのは面倒だ。まずはサング組からだ。


「それと、昨日僕はサング組のチェイサーという男に襲われました」

「そうか。お前が狙われたのか」


 サランドさんは少し考えるように黙る。


「ナグモの方にも色々と聞いているが、ミサキを狙っている奴はまだいないらしい。そこは一安心だが、これがずっと続くとも思えん」

「……そうですね」

「それに、こちらは南ステイティアを守りながらになる。こちらから攻めることはできん。どうしても後手に回るが、奴らが来たところを殺して止めるしかあるまい」


 サランドさんは険しい表情で続ける。


「もしくは、南ステイティアにいるサング組の奴らを見つけ次第、殺すかだ」


 物騒な話だけど、今の状況なら仕方がないのかもしれない。

 サング組は僕たちを狙っている。なら、こちらも覚悟を決める必要がある。

 僕はサランドさんに頷いた。


「じゃあ、セツのことは頼む。あと、教会の件は助かった」

「いえ。それじゃ、失礼しました」


 僕はギルドマスター室を出る。すると、セツも僕についてきた。

 ……あれ?もしかして、もう一緒に行動する感じなのか?


「もう一緒に行くの?」

「サランドさんは動かないから、ついていきます。姉さんの仇を討てるのがいつになるか分かりませんから。それまでに、私は少しでも強くなりたいんです」


 セツは真剣な表情で僕を見る。

 ……まあ、そういうことなら仕方ないか。

 僕はセツと一緒に冒険者ギルドへ向かい、ナグモとミサキに合流する。


「げ。ナグモじゃん」

「なんだ、セツがいるじゃねえか。どうしたんだ?」


 ナグモがセツを見ると、ミサキがナグモに尋ねた。


「ナグモの知り合い?」

「そうそう。お嬢、俺の知り合いだ」


 ナグモがそう答えると、僕はセツに小声で話しかけた。


(あの子はサランドさんの大事な人だから、護衛でナグモと僕がついてるんだ)

(護衛? ふーん。まあ、話を合わせておけばいいのね?)

(話が早くて助かる。それで頼む)


 僕がそう言うと、セツはミサキに近づいていく。


「私はナグモの知り合い! だからよろしくね、ミサキちゃん」


 セツはミサキの手を握り、握手をすると、ミサキも笑顔で握手を返した。


「お嬢にあの態度はあまりよくねえけど、今は極道の決まりとかは関係ねえからな。それに、お嬢にはちょうどいいかもしれんな。このパーティーは男二人に女一人だし。バランス的に考えてもな」


 それは確かに言えている。

 セツがミサキと仲良くなれば、ミサキも少しはやりやすくなるに違いない。

 ……まあ、セツにその気があればだけど。


「サランドさんから、セツはまあまあやるって聞いたけど、実際どうなんだ?」


 僕はナグモに尋ねると、ナグモは、なぜか親指を立てた。


「かなりやるぜ」


 その自信満々な顔を見て、僕は少しだけ期待する。

 ……これは、頼もしい仲間が増えたのかもしれない。

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