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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第二章 サング組編 始

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ミルト・ルト

 ナグモが兄貴かー。本職はヤクザなのに、冒険者からも兄貴と呼ばれるなんて、それだけ慕われているんだな。

 そんなことを考えていると、ナグモはミルトに言った。


「かまわんよ。好きにするといい。俺は気にしないからよ」

「それじゃあ、私たちと依頼を受けてもらえないでしょうか? あ、すいません。ちゃんと自分から名乗ってませんでしたね。私はミルト・ルトです。あらためて、よろしくです」


 ミルトが名乗ると、ナグモは首を横に振った。


「悪いが、俺はこの二人と組んでるから、お前らと依頼には行けない。けど、何かあれば面倒くらいは見てやる」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 ミルトは嬉しそうに頭を下げる。

 その後、ミルトが依頼のボードを見直していると、ザランクは気に入らなさそうな顔でナグモを見た。そして、一枚の依頼書を取る。


「ほら! ミルト、これ行くぞ」

「わかったよ、ザランク。それでは失礼します」


 二人は依頼書を持って受付へ向かっていった。

 僕は二人の背中を見ながら、ナグモに話しかける。


「ナグモは慕われやすいんだね」

「まぁ、男にはよく好かれるな。女には全然ダメだが。それより、俺たちも依頼はどうする?」


 僕たちは再び依頼のボードを見る。すると、ミサキが一枚の依頼書を手に取った。


「ツブキさん!ナグモ!私、これに行きたい!」


 僕とナグモは依頼書を確認し、ナグモが頷いた。


「お嬢が言うなら分かりました。それに行きましょう」

「うん。僕もそれでいいと思うよ」


 僕とナグモが頷くと、ミサキは嬉しそうに依頼書を受付へ持っていった。

 そして僕たちは、その依頼の場所へ向かった。

 その後、依頼を無事にこなした僕達は、それぞれ別行動をすることになった。

 ナグモはミサキと行動し、僕は一人で商店エリアへ向かう。

 商店エリアに着いた僕は、ポーションや消耗品を補充する。

 僕が影の異能でミサキを護衛しているとはいえ、ミサキは怪我をすることが多い。だから、ポーションは多めに買っておかないといけない。


「そこの人。少しいいかな?」


 突然、誰かに声をかけられた。振り返ると、背中に槍を背負った、緑色の髪が特徴的で、赤いスーツを着ている男が立っていた。


「僕ですか?」

「そうそう、君君。僕、この王都に来てまだ日が浅いんだけど、この辺りを案内してもらえないかな?」

「王都の外から来たんですか?」


 僕は槍を背負った男に尋ねる。この王都、ステイティア王都はかなり大きな街だ。

 北ステイティア、東ステイティア、南ステイティア、西ステイティアと、東西南北に分かれている。僕が今いるのは南ステイティアだ。


「いや、僕は北の方の出身でね。用事があってこの街に来たんだが、やたら広くてね。案内してもらえないかな?」

「かまわないけど、君の名前は?」

「僕はチェイサー。よろしくね」


 チェイサー?

 その名前……誰かから聞いたことがあるような気がする。誰だったかな。

 僕は少し考えたが、思い出せなかった。とりあえず、僕はチェイサーに南ステイティアを案内することにした。

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