教会
「教会。行ったことないから楽しみです!」
ミサキが僕に言うと、ナグモがミサキをなだめる。
「俺は行ったことがありますけど、教会の人間はどうにも怖くてね。もう行こうとは思わなかったよ」
極道でも教会の人間にはビビるんだ。カイナはそんなイメージじゃなかったけど。
僕達はギルドを出ると、そのまま教会へ向かった。教会は冒険者ギルドから西へ歩いたところにある。意外と敷地は広く、孤児院も経営しているらしい。
僕達が教会に着くと、入り口にいた金髪の修道服を着た女性に声をかける。
「すいません」
「はい。どちら様ですか?」
女性が聞いてくると、僕は自己紹介をする。
「僕はツブキ・ドゥンだ。今、こちらにカイナ・アルナはいる?」
「カイナ様のご友人ですか? 今、お呼びしますね」
女性はそう言うと、教会の中へ入っていった。
それから数分後、かつてのパーティー仲間だったカイナが、僕の前に現れた。
「これはこれは、ツブキさん。お久しぶりです」
「久しぶりだね。勇者パーティーでの調子はどうだい?」
「調子ですか。まぁ、あなたが抜けてから、やはり大変ですね。ディアモさんは遊んでばかり、アスタさんは魔法の研究。ライトさんに至っては、行方知れずです」
ライトは行方知れずか。僕のせいだろうな。
洞窟に放置してきたし。
「ここで話すのもあれですから、孤児院の近くにある休憩スペースに移動しませんか?」
「そうだね。そこに移動しようか」
僕が答えると、ナグモとミサキも僕についてくる。
カイナは僕達を孤児院近くの休憩スペースへ案内すると、空いている席に座った。
「ライトは行方知れずって聞いたけど、いつ頃からだ?」
「最近ですね。いつも行く道場にも行っていないらしいです。仲間としては心配です」
カイナは胸に手を当てながら言った。ライトのことを聞いたのは、個人的に最後はどうなったのか気になったからだ。
僕は本題に入る。
「ここに来た用件を話していいかな?」
「構いませんよ。私に何用ですか?」
「冒険者ギルドで働いていた受付嬢のアマイ・フォンって子が殺されたんだ。何か知らないかな?」
僕がアマイについて尋ねると、カイナは少し考えた。
「知りませんね。ギルドの受付嬢ですよね? 私は最近ずっと教会にいますから、その方が殺された理由とかは分かりません。お役に立てず申し訳ありません」
「いや、大丈夫だよ。用はそれだけ。ごめんね、時間を取らせて」
「いえ。久々にお話しできてよかったです。では、私は失礼します」
カイナは席から立ち上がると、教会へ戻っていった。
僕達もそのまま教会を後にした。




